方針
右辺は畳み込み型の和で,a1=1 なので各 n の式には 2an+1 が含まれる。したがって前の項が決まれば次の項は一意に決まる。候補 an=1/(n−1)! を代入し,j=k−1 と置いて二項係数の和に直せば条件を満たすことが分かる。
解答
右辺の和には,k=1 の項 a1an+1 と k=n+1 の項 an+1a1 が含まれる。a1=1 だから,この二つは合わせて 2an+1 である。その他の項は a1,…,an だけで決まるので,条件を満たす数列は一意に決まる。
いま an=(n−1)!1 とおくと,a1=1 である。またk=1∑n+1akan+2−k=k=1∑n+1(k−1)!1(n+1−k)!1.ここで j=k−1 とおくと,j=0,1,…,n であり,k=1∑n+1akan+2−k=j=0∑nj!(n−j)!1=n!1j=0∑nnCj=n!2n.よってこの候補は与えられた条件を満たす。一意性より,求める一般項は an=(n−1)!1 である。
別解
解法2
方針
予想した一般項を代入するだけでなく、漸化式の端の2項から次項を決める数学的帰納法で導く。内部の和は二項定理で評価する。
解答
数学的帰納法でan=(n−1)!1を示す。
n=1 では a1=1=1/0! で成り立つ。いまaj=(j−1)!1(1≦j≦n)と仮定する。与えられた n に対する式の右辺で、k=1,n+1 の2項は合わせて 2an+1 である。残りはk=2∑nakan+2−k=j=1∑n−1j!(n−j)!1=n!1j=1∑n−1nCj=n!2n−2.したがってn!2n=2an+1+n!2n−2,よってan+1=n!1.帰納法により、すべての正の整数 n についてan=(n−1)!1である。
総評
畳み込み型の漸化式を,候補の検証と一意性で処理する問題である。所要時間は10分程度。最初に 2an+1 が現れることを確認しておくと,単なる「予想」ではなく一般項が確定したと説明できる。二項係数の和に直す際は,添字 j=k−1 と範囲 0≦j≦n を明記するとよい。
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出典: 北海道大学 1998年度 後期 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。