方針
まず不等式 を関数の最小値で示す.漸化式では の上下が1項ごとに入れ替わることを確認し, からの距離が縮む評価を作る.偶数番目と奇数番目の極限を置き,最後に2つの極限が一致することを示す.
解答
(1) とおく.すると であり, で , で である.したがって は で最小値をとり, である.よってすべての実数 について すなわち が成り立つ.
(2) とする.指数関数 は減少するので であり, がわかる.また である.ここで なので,(1) を に用いると である.したがって が成り立つ.
(3) まず より である.実際, は明らかであり, なら となって矛盾する. , である.また, なら , なら である.よって数列は の下側と上側を交互に動く.
次に からの距離が縮むことを示す. の場合は (2) と より である. の場合は であり,(1) から となる.したがって各段階で が成り立つ.
このため偶数番目 は より小さい側から上に近づき,奇数番目 は より大きい側から下に近づく.そこでとおくと であり,漸化式から である.
もし なら である.(1) を に用いると なので となる.ここで であり, だから となって矛盾する.したがって である.
共通の極限を とすると, を満たす.問題文よりこの実数はただ1つで,それが である.よってである.
反復で固定点へ近づく様子
別解
解法2
方針
(2) は平均値の定理で指数関数の差を評価する.(3) は2段階写像 を導入し, から偶数項・奇数項がともに へ縮むことを示す.
解答
(1)
とおくとよって は で最小値 をとる.したがって(2)
とする.関数 に平均値の定理を用いると,ある
が存在してまた は狭義単調減少だから であり,
なので(3)とおくと ,かつ である., であり,
漸化式からすべての について である. では だから平均値の定理によりこれを繰り返すと右辺はいずれも0へ収束するので,偶数項・奇数項ともに へ収束する.したがって
総評
難度は10段階中7,計算量は10段階中5.漸化式 は単調列を直接作らないため,偶数番目と奇数番目に分けて見る必要がある.(1) の不等式は単なる前座ではなく,(2) の距離評価と,最後に2つの部分列の極限を一致させる場面で再利用される.上下に交互に動くこと,距離が縮むこと,部分列の極限が同じであることを順に示せば,論証の抜けがない答案になる.