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北海道大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

平面上に原点Oを中心とする半径rの円Cと点A(r,0)がある.
y軸に平行な直線x=r上の点P(r,t)をとる.
ただし,t0とする.

(1)Pを通り,円Cと接する直線で直線PAと異なるものをlとする.
lと円Cとの接点をTとするとき,点Tの座標をrtを用いて表せ.

(2) 線分ATと線分OPとの交点をQとする.
Pが直線x=rの第1象限にある部分を動くとき,点Qの軌跡を求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安25

図形と方程式 円の性質座標設定軌跡

方針

接点を直接求めるため、円の接線条件を内積で表す。半径 OT と接線 PT が垂直なので、接点 T=(X,Y) は円の方程式と PT=r2 を同時に満たす。接点が2つあり、その一つは A=(r,0) であることを利用してもう一つを求める。点 QOP 上の点として Q=λP と置き、さらに AT 上にある条件から λ を決めて、最後に t を消去する。

解答

(1)

接点を T=(X,Y) とおく。T は円 C 上にあるから X2+Y2=r2 である。また、接線 PT は半径 OT と垂直であるから (PT)T=0 である。P=(r,t) より rX+tY=X2+Y2=r2 を得る。したがって TX2+Y2=r2,rX+tY=r2 を満たす。

ここで A=(r,0) もこの2式を満たす。rX+tY=r2 から Y=r2rXt として円の方程式に代入すると X2+(r2rXt)2=r2 である。整理すると (Xr){(r2+t2)Xr(r2t2)}=0 となる。X=r は接点 A に対応するので、求めるもう一つの接点では X=r(r2t2)r2+t2 である。これを rX+tY=r2 に戻すと Y=2r2tr2+t2 である。よって T=(r(r2t2)r2+t2,2r2tr2+t2) である。

(2)

Q は直線 OP 上にあるので Q=λ(r,t) とおく。すなわち Q=(λr,λt) である。

一方、Q は線分 AT 上にもある。A=(r,0) から T へ向かうベクトルは TA=(2rt2r2+t2,2r2tr2+t2) であるから、AT 上の点は A+μ(TA) と表せる。この y 座標を λt と比較すると λt=μ2r2tr2+t2 であり、t0 より λ=μ2r2r2+t2 である。x 座標を比較すると λr=rμ2rt2r2+t2 である。これらから μ=1/2 が得られ、したがって λ=r2r2+t2 である。よって Q=(r3r2+t2,r2tr2+t2) となる。 Q=(x,y) とおくと x=r3r2+t2,y=r2tr2+t2 である。これより x2+y2=r6+r4t2(r2+t2)2=r4r2+t2=rx を得る。したがって軌跡は x2+y2=rx すなわち (xr2)2+y2=(r2)2 である。

今、P は直線 x=r の第1象限にある部分を動くので t>0 である。したがって y>0 である。また t0+QA に近づき、t で原点に近づくが、t=0 でも t= でもない。よって求める軌跡は (xr2)2+y2=(r2)2,y>0 で表される上半円であり、端点 (0,0)(r,0) は含まない。

別解

解法2

方針

u=t/r と無次元化し、単位円の有理パラメータ表示として接点を求める。交点 Q は2直線の方程式を連立して出し、得られた媒介表示から円の方程式と動く範囲を同時に読む。

解答

(1)

u=t/r とおく。円 C を半径 r で規格化すると、点 P(1,u) である。接点 T/r=(X,Y)X2+Y2=1,X+uY=1を満たす。既知の解 (1,0) 以外の解をとれば(X,Y)=(1u21+u2,2u1+u2).元の尺度へ戻してT=(r(r2t2)r2+t2,2r2tr2+t2).(2)

AT の傾きは2r2t/(r2+t2)r(r2t2)/(r2+t2)r=rtなので、その方程式は y=r(xr)/t である。一方、OPy=(t/r)x である。連立するとQ=(r3r2+t2,r2tr2+t2).したがってx2+y2=rx(xr2)2+y2=(r2)2.t>0 だから y>0。逆にこの上半円上の各点にはt=ryx>0が対応する。よって軌跡は上半円で、端点 (0,0),(r,0) は含まない。

総評

接線条件と軌跡消去を組み合わせる座標幾何の標準問題で、想定時間は25分程度。接点 T を求めるところでは、既知の接点 A とは別の解を取る意識が必要である。軌跡では x2+y2=rx まで出して終わらず、t>0 から上半円だけであること、さらに端点を含まないことを明記するのが採点上の要点になる。

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出典: 北海道大学 1997年度 前期 文系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。