方針
まず z=reiθ と極形式で置き、w=z2−1/z2 の実部を (r2−r−2)cos2θ と表す。符号が正になるのは、単位円の外側で cos2θ>0 または単位円の内側で cos2θ<0 の場合である。図示では境界が単位円と2直線 y=±x であり、境界と原点を含まないことを明示する。
解答
z=reiθ とおく。ただし r>0 である。このとき z2=r2e2iθ,z21=r−2e−2iθ である。したがって w=z2−z21=r2e2iθ−r−2e−2iθ であり、その実部は Rew=(r2−r−2)cos2θ である。
よって w の実部が正である条件は (r2−r−2)cos2θ>0 である。r>1 なら r2−r−2>0 なので cos2θ>0 が必要十分である。これは x 軸に近い2つの領域、すなわち直線 y=x、y=−x に挟まれる側である。
一方、0<r<1 なら r2−r−2<0 なので cos2θ<0 が必要十分である。これは y 軸に近い2つの領域である。
直交座標で書けば、境界は x2+y2=1,x2−y2=0 である。したがって求める領域は (x2+y2−1)(x2−y2)>0 で表される部分である。ただし、境界で実部は0になるので境界は含まない。また z=0 であるから原点も含まない。
別解
解法2
方針
極形式を使わず、z=x+iy として実部を直接計算する。分母は正なので、符号を決める2因子だけを取り出し、単位円の内外と対角線の両側の組合せとして図示する。
解答
z=x+iy=0 とおくとRe(z2)=x2−y2.またz21=∣z∣4z2だからRe(z21)=(x2+y2)2x2−y2.したがってRew=(x2−y2){1−(x2+y2)21}.分母は正であり、(x2+y2)2−1=(x2+y2−1)(x2+y2+1)なので、求める条件は(x2−y2)(x2+y2−1)>0.すなわち、単位円の外側では ∣x∣>∣y∣、単位円の内側では ∣x∣<∣y∣ の部分である。単位円と直線 y=±x は含まず、z=0 も除く。
総評
複素数平面の領域図示問題で、想定時間は20分程度。極形式を使うと、単位円の内外と cos2θ の符号という2つの条件に分かれる。図示では「どの曲線が境界か」だけでなく、どちら側を塗るかを単位円の内外で反転させることが重要である。境界線 y=±x と単位円上では実部が0なので、問題の「正」には含まれない。
冊子PDFで見る北大の複素数平面の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 1997年度 前期 文系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。