方針
z=x+iy と置き,z/2+1/z の実部と虚部を計算する。条件は「実数である」ことと「値が [0,2] に入る」ことの二段階である。虚部が 0 になる条件から,y=0 と x2+y2=2 に分かれるので,各場合で実部の値域を調べる。最後に線分と円弧として図形をまとめる。
解答
z=x+iy とおく。ただし z=0 である。このとき z1=x2+y2x−iy なので2z+z1=(2x+x2+y2x)+i(2y−x2+y2y).これが実数であるためには虚部が 0 でなければならない。すなわち y(21−x2+y21)=0 である。したがって y=0 または x2+y2=2 である。
まず y=0 の場合を考える。このとき z=x=0 で,値は 2x+x1 である。x<0 ならこの値は負になるので不適。x>0 として 0≦2x+x1≦2 を解く。左側は自動的に成り立ち,右側は x2−4x+2≦0 と同値である。よって 2−2≦x≦2+2 である。
次に x2+y2=2 の場合を考える。このとき z1=2x−iy なので 2z+z1=x である。値が 0 以上 2 以下であるためには 0≦x≦2 であればよい。円 x2+y2=2 上では x≦2 なので,条件は実質的に x≧0 である。
したがって求める点の集合は {(x,0)∣2−2≦x≦2+2} と {(x,y)∣x2+y2=2, x≧0} の和集合である。すなわち,実軸上の線分と,原点中心・半径 2 の右半円である。
別解
解法2
方針
z=reiθ と極形式で置き、虚部が0になる条件を半径と偏角に分ける。実軸上の場合と半径 2 の円周上の場合をそれぞれ範囲条件で絞る。
解答
z=reiθ と置く。ただし r>0 である。このとき2z+z1=2r(cosθ+isinθ)+r1(cosθ−isinθ)=(2r+r1)cosθ+i(2r−r1)sinθ.これが実数である条件は(2r−r1)sinθ=0.まず sinθ=0 の場合、z は実数である。負の実数では値も負になるので不適であり、z=r>0 として2r+r1≦2.これを解くとr2−4r+2≦0,よって2−2≦r≦2+2.次に r/2=1/r の場合は r=2 である。このとき2z+z1=2cosθ.これが 0 以上 2 以下である条件は cosθ≧0 であり、上限は自動的に満たされる。
したがって求める集合は{(x,0)∣2−2≦x≦2+2}と{(x,y)∣x2+y2=2, x≧0}の和集合である。
総評
複素数の実数条件を虚部 0 として処理する問題である。所要時間は12分程度。y=0 と x2+y2=2 の二場合が出るが,それぞれで値域条件を改めて確認する必要がある。特に実軸上では x<0 が除外され,円周上では値がちょうど x になる。図示では線分と右半円の和集合として表すと分かりやすい。
冊子PDFで見る北大の複素数平面の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 1998年度 前期 理系 第5問(a)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。