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北海道大学 2002年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

次の問いに答えよ.ただし,iを虚数単位とする.

(1) α=cos72+isin72としてxについての恒等式(xα)(xα2)(xα3)(xα4)=x4+x3+x2+x+1を示せ.

(2) nは5以上の自然数とする.
β=cos360n+isin360nとして,等式(1β)(1β2)(1β3)(1βn1)=nを示せ.

難易度6/ 10計算量4/ 10目安20

複素数平面数と式 複素数の極形式、展開・因数分解、一般化

方針

αβ が1以外の1の累乗根であることを使う。xn1=(x1)(xn1++x+1) の因数分解から、1以外の累乗根が右辺の多項式の根であることを確認し、最高次係数が1であることから積の形を得る。最後は x=1 を代入して積を評価する。

解答

(1) α=cos72+isin72 であるから、α は偏角 72 の大きさ1の複素数である。したがって α5=cos360+isin360=1 であり、α1 である。 α5=1 より、α,α2,α3,α4 はすべて x51=0 の解である。また x51=(x1)(x4+x3+x2+x+1) であり、これら4つの数はいずれも1ではない。したがって α,α2,α3,α4x4+x3+x2+x+1=0 の4つの解である。

左辺 (xα)(xα2)(xα3)(xα4) は最高次係数1の4次式であり、右辺 x4+x3+x2+x+1 も最高次係数1の4次式で、同じ4つの解をもつ。よって (xα)(xα2)(xα3)(xα4)=x4+x3+x2+x+1 である。

(2) β=cos360n+isin360n とする。すると βn=1,β1 であり、β,β2,,βn1 は互いに異なる。実際、1j<kn1βj=βk なら βkj=1 となるが、0<kj<n なので矛盾する。

一方、xn1=(x1)(xn1+xn2++x+1) である。したがって、1以外のn乗根である β,β2,,βn1xn1+xn2++x+1=0 のすべての解である。よって(xβ)(xβ2)(xβ3)(xβn1)=xn1+xn2++x+1である。

ここに x=1 を代入すると (1β)(1β2)(1β3)(1βn1)=1+1++1 となる。右辺には1がn個あるから (1β)(1β2)(1β3)(1βn1)=n である。

単位円上の n 乗根

別解

解法2

方針

多項式の根の積を直接展開せず、xn1 を根で因数分解して x=1 における導関数を比較する。(1)は n=5 の場合、(2)は一般の n の場合として同じ原理で統一する。

解答

(1)

α5=1 であり、α,α2,α3,α4 は1以外の異なる5乗根である。したがってx51=(x1)(xα)(xα2)(xα3)(xα4).一方、x51=(x1)(x4+x3+x2+x+1)である。多項式として比較すれば(xα)(xα2)(xα3)(xα4)=x4+x3+x2+x+1を得る。

(2)

β は原始 n 乗根なのでxn1=(x1)(xβ)(xβ2)(xβn1).両辺を x で微分し x=1 を代入する。右辺では積の第2項は x1 を含むため消え、n=ddx(xn1)x=1=(1β)(1β2)(1βn1).これが示すべき等式である。

総評

難度6、計算量4。目安時間は15〜20分。複素数の積を展開する必要はない。1以外の n 乗根が 1+x++xn1 の全根であること、互いに異なることを明記すれば因数分解が確定する。導関数を使う別解では、x=1x1 を含む項が消える理由を確認する。

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出典: 北海道大学 2002年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。