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北海道大学 2004年度 後期日程理系(後期)数学 第4問

z=1である複素数zに対して,
zz21zが定める複素数平面上の3点を考える.
ただし,zの偏角θ0θπの範囲とする.

(1) 3点の内の2点以上が一致するときのθをすべて求めよ.

(2) (1)以外のときに,3点を頂点とする三角形の面積Sを,θを用いて表せ.

(3) Sが極大値をとるときのcosθの値をすべて求めよ.

(4) Sの最大値と,そのときの複素数zを求めよ.

難易度8/ 10計算量8/ 10目安30

複素数平面三角関数微分 複素数の極形式、面積計算微分による最大最小

方針

z=eiθ とおくと、3点は偏角 θ,2θ,θ をもつ単位円上の点である。(1) はこれらの偏角が 2π の整数倍だけ異なる場合を列挙する。
(2) は2点 z1/z が同じ x 座標をもつことを利用し、縦の長さ 2sinθ と、点 z2 からその縦線までの距離で面積を出す。
(3) は u=cosθ と置き、S2=(1u2)(1u)2(2u+1)2 の極値を調べる。退化点で区切られた各区間の内部で極大候補を求め、(4) では2つの候補の値を比較して最大を選ぶ。

解答

(1) z=cosθ+isinθ とおく。z=1 なので z2 の偏角は 2θ,1z の偏角は θ である。したがって3点は、単位円上の偏角 θ,2θ,θ の点である。

2点以上が一致するのは、これらの偏角の差が 2π の整数倍になるときである。 z=z2θ2θ(mod2π) より θ=0 である。また z=1z2θ0(mod2π) より、0θπ では θ=0,π である。さらに z2=1z3θ0(mod2π) より、θ=0,2π3 である。以上を合わせると θ=0,2π3,π である。

(2)
(1) 以外の場合を考える。3点の座標は z:(cosθ,sinθ), z2:(cos2θ,sin2θ), 1z:(cosθ,sinθ) である。点 z1/z を結ぶ線分は縦の線分で、その長さは 2sinθ である。点 z2 から直線 x=cosθ までの距離は cos2θcosθ である。したがって三角形の面積 SS=122sinθcos2θcosθ である。

ここで u=cosθ とおくと、cos2θcosθ=2u2u1=(u1)(2u+1) である。0<θ<π では sinθ>0、また 1u0 なので、S=sinθ(1cosθ)2cosθ+1 である。

(3) u=cosθ とおく。退化する場合を除けば 1<u<1u12 である。(2) より S2=(1u2)(1u)2(2u+1)2 である。S>0 の範囲で微分の符号を見るため、対数微分を用いるとddulogS2=2u1u221u+42u+1である。これが 0 となる条件を整理すると 6u2+4u1=0 である。したがって u=2±106 である。 S は区間 (1,1/2)(1/2,1) の端で 0 となり、それぞれの区間内で上の解を1つずつもつ。よって、S が極大値をとるときの cosθcosθ=2106,2+106 である。

(4)
(3) の2つの候補で値を比較する。u=cosθ として S2=(1u2)(1u)2(2u+1)2 に代入すると、u=2+106 のとき S2=2437+340102916 であり、u=2106 のとき S2=2437340102916 である。したがって最大値を与えるのは cosθ=1026 のときである。

このとき 0θπ なので sinθ0 であり、sinθ=1(1026)2=11+21018である。また最大値はSmax=2437+340102916=2437+3401054である。

したがって、そのときの複素数 zz=1026+i11+21018 であり、最大値は 2437+3401054 である。

別解

解法2

方針

3点の座標を行列式へ入れて面積を三角関数の式にする。u=cosθ と置いた後は、面積の2乗を多項式として微分し、退化点で分かれる二つの区間の極大値を比較する。

解答

(1)
3点の偏角は θ,2θ,θ である。差が 2π の整数倍となる場合を調べると、θ=0,2π3,πである。

(2)
3点の座標を三角形の面積の行列式へ入れると、S=12sin2θ+sinθsin3θ.加法定理で整理すれば、S=sinθ(1cosθ)2cosθ+1となる。

(3)
u=cosθ とおくと、S2=(1u2)(1u)2(2u+1)2=:G(u).直接微分して因数分解すると、G(u)=2(u1)2(2u+1)(6u2+4u1).退化点 u=1,12,1 を除いた二つの区間で極大となる候補はu=2±106である。

(4)
二候補を G(u) へ代入すると、G(2±106)=2437±340102916.したがって最大値を与えるのはcosθ=1026のときである。0θπ より正の虚部を選び、z=1026+i11+21018,Smax=2437+3401054を得る。

総評

単位円上の3点が作る三角形の面積を、三角関数と1変数の極値へ落とす難問で、目安時間は30分程度。(1) の退化角 0,2π/3,π を先に除外しないと、(2) 以降の絶対値や対数微分で混乱しやすい。面積は縦の底辺 2sinθ と横距離 cos2θcosθ で出すと短い。(3) では2つの区間にそれぞれ極大候補があり、(4) で大きい方を比較して選ぶ。

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出典: 北海道大学 2004年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。