方針
交点の座標を根号で求める前に,x1,x2を二次方程式の二つの解として扱う。
解と係数の関係から,和x1+x2と積x1x2が分かる。
交点の和と積で,共通弦の式を作る
y=x2上の二点を結ぶ直線はy=(x1+x2)x−x1x2と書ける。(2)ではx1−x2=2を使い,直線の式から文字aを除く。
通過領域は,どの直線も領域内に収まることと,領域内の各点を通る直線が作れることの両方を確かめる。
対象はP,Qを結ぶ直線全体であり,線分だけに制限しない。
解答
(1)
交点のx座標はx2=−(x−a)2+bを整理すると2x2−2ax+a2−b=0の二つの解である。解と係数の関係からx1+x2=a,x1x2=2a2−b.したがって(x1−x2)2=(x1+x2)2−4x1x2=a2−2(a2−b)=2b−a2.x1−x2=2より,求める式はb=2a2+4.このbを用いると交点のx座標はa/2+1, a/2−1となるから,どの実数aに対しても異なる二つの交点が存在する。
(2)
直線PQの傾きはx1−x2x12−x22=x1+x2=aなので,その方程式はy=ax−x1x2=1+ax−4a2.平方完成するとy=x2+1−4(a−2x)2≦x2+1.(*)よって,すべての直線PQはy≦x2+1の領域に含まれる。
逆に,この領域内の任意の点(X,Y)をとる。
X2+1−Y≧0だからa=2X+2X2+1−Y,b=2a2+4を選べる。このとき(*)の右辺にx=Xを代入するとYになり,直線PQは(X,Y)を通る。
また(1)より二つの交点のx座標の差は2で,元の条件も満たす。
以上から,通過領域はy≦x2+1である。境界y=x2+1も含む。
別解
別解・背景
方針
解答
交点のx座標を,中点と半差を用いてx1=m+t,x2=m−t(t>0)とおく。交点の和からa=2m,交点の差から4t2=2b−a2である。
(1) 差が2なのでt=1となり,b=2m2+2=(a2+4)/2を得る。
(2) t=1のとき,直線PQはy=2mx−(m2−1).点(X,Y)を通る条件を,文字mの方程式として書くとm2−2Xm+Y−1=0.これを満たす実数mが存在する条件は,判別式から(−2X)2−4(Y−1)≧0,すなわちY≦X2+1である。実数mが得られればa=2m, b=2m2+2とすれば元の条件を満たすので,これが通過領域を表す。
境界上の点を通る直線は,境界の接線になる
y=x2+1のx=mにおける接線はy=2m(x−m)+(m2+1)=2mx−m2+1で,直線PQと一致する。平方完成は直線が境界を越えないことを,判別式は指定した点を通る直線が存在することを示している。
総評
二つの放物線の交点を二次方程式の解として扱い,和と積から共通弦の式を作る。(2)は領域を覆う十分性まで示し,直線と線分を区別する。
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出典: 北海道大学 2003年度 前期 文系 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。