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北海道大学 2010年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

次の連立不等式が表す領域を D とする。{x2+y225,(y2x10)(y+x+5)0.(1) 領域 D を図示せよ。

(2)(x,y) が領域 D を動くとき、x+2y の最大値 M と最小値 m を求めよ。また、M,m を与える D の点を求めよ。

(3) a を実数とする。点 (x,y) が領域 D を動くとき、ax+y が点 (3,4) で最大値をとるような a の範囲を求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安28

図形と方程式方程式・不等式 座標設定図形的解釈、範囲評価

方針

まず円と2直線の交点を求めて領域の境界を確定する。一次式の最大・最小は、円板全体での候補と直線境界・円弧上の候補を比較する。最後は (3,4) における円の接線と直線境界の傾きから、支持直線になれる範囲を求める。

解答

(1)

領域 Dx2+y225 で表される半径5,中心原点の円の内部で,さらに (y2x10)(y+x+5)0 を満たす点の集合である。2直線 y=2x+10,y=x5 で平面を分けたとき,積が0以下になるのは2直線の間の部分である。

2直線の交点は 2x+10=x5 より x=5,y=0 である。円との交点を求めると,y=2x+10 については x2+(2x+10)2=25 より 5x2+40x+75=0,x2+8x+15=0. したがって x=5,3 であり,交点は (5,0),(3,4) である。また y=x5 については x2+(x5)2=25 より 2x2+10x=0,x=0,5 であり,交点は (5,0),(0,5) である。

円板と2直線の間の共通部分が領域 D である。

したがって D は、円 x2+y2=25 の内部のうち,2直線で挟まれた部分であり,境界上の主要な点は (5,0),(3,4),(0,5) である。

(2)

x+2y の最大値を考える。円板 x2+y225 上で,ベクトル (1,2) 方向の一次式 x+2y は,点 5(1,2)12+22=(5,25) で最大値 55 をとる。この点は 2525+10,2555 を満たし,2直線の間にあるので D に含まれる。よって最大値は 55 である。

次に最小値を調べる。円板全体での最小点は 5(1,2)5=(5,25) だが,これは D には含まれない。そこで D の境界を調べる。

直線 y=x5 上では,境界部分は 5x0 であり,x+2y=x+2(x5)=x10 である。これは x が大きいほど小さくなるので,x=0 で最小となり,値は 10 である。

直線 y=2x+10 上の境界部分は 5x3 であり,x+2y=x+2(2x+10)=5x+20 である。この最小値は x=5 のとき 5 である。円周上で x+2y が停留するのは、係数ベクトル (1,2) と半径の向きが平行になる2点だけである。そのうち最大点 (5,25)D に含まれるが、最小点 (5,25) は含まれない。したがって D の円弧部分における最小値は端点で生じる。端点での値は (5,0)5(3,4) で5,(0,5)10 である。

したがって最小値は 10 であり,点 (0,5) でとる。

(3)

(3,4) を通る等位線ax+y=3a+4は、傾き a の直線である。この点で最大値をとるには、この直線が D の支持直線になり、D 全体がその下側に入ればよい。

(3,4) で交わる2本の境界のうち、直線境界y=2x+10の傾きは 2 である。また円 x2+y2=25 の接線は3x+4y=25であり、その傾きは 3/4 である。ここで D の点はすべてy2x+10,y34x+254を満たす。m34m2を満たすとき、点 (3,4) を通る傾き m の直線は、上の2直線を係数の和が1となる非負の重みで平均して得られる。したがって D はその直線の下側にあり、この直線は支持直線になる。

逆に m<3/4 または m>2 なら、(3,4) に接続する円弧または直線境界上のすぐ近くの点がその直線の上側に出るので、支持直線にはならない。よって m=a として34a2.よって2a34である。

総評

難度は10段階中7、計算量は10段階中6。試験場での目安は28分で、位置づけは標準的な完答対象である。主な採点点は、領域を2直線と円の共通部分として捉え、線形関数の支持方向で最大条件を出すこと。注意点は、(3) で直線境界の外向き方向を逆にしないこと。

補足。領域問題では,図示の前に交点を数式で確定しておくと見落としが減る。最大値は円板全体の最大点がそのまま領域内に入るため簡単だが,最小値は円板全体の最小点が領域外なので境界確認が必要になる。(3) は支持直線の傾きの問題であり,円の接線と直線境界の間に傾きが入ることを上下の不等式で確認すると範囲が自然に出る。

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出典: 北海道大学 2010年度 後期 理系 第1問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。