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北海道大学 2011年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

abを実数とし,xy平面上の3直線をl:x+y=0,l1:ax+y=2a+2,l2:bx+y=2b+2で定める。

(1) 直線l1aの値によらない1点Pを通る。Pの座標を求めよ。

(2) ll1l2によって三角形がつくられるためのabの条件を求めよ。

(3) abは(2)で求めた条件を満たすものとする。
(1,1)が(2)の三角形の内部にあるようなabの範囲を求め,それをab平面上に図示せよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安24

図形と方程式方程式・不等式 座標設定必要十分条件、範囲評価

方針

(1)l1y=a(x2)+2 と書き、すべての a で通る点を読む。(2) は l1,l2 がともに P(2,2) を通り、Pl 上にないことを使う。三角形ができないのは、l1=l2 または l1,l2 のどちらかが l と平行になる場合である。(3) は三角形の底辺を l 上の2点、頂点をPと見て、点 (1,1) が各辺に対して頂点と同じ側にある条件を符号で表す。

解答

(1)
直線 l1ax+y=2a+2 すなわち y=ax+2a+2=a(x2)+2 と書ける。したがって x=2 のとき、a の値によらず y=2 である。よって求める点は P(2,2) である。

(2)
同様に、l2y=b(x2)+2 と書けるので、P(2,2) を通る。点Pは 2+2=40 より、直線 l:x+y=0 上にはない。

3直線で三角形ができるには、3直線が互いに異なる3つの交点を作ればよい。ここで l1l2 はともにPを通るので、l1=l2 なら三角形はできない。これは a=b のときである。

また、l1l と平行なら交点ができず、三角形はできない。直線 l は傾き 1l1 は傾き a なので、平行となるのは a=1 のときである。同様に l2l と平行となるのは b=1 のときである。

以上より、三角形がつくられるための条件は ab,a1,b1 である。

(3)
l1l の交点をA、l2l の交点をBとする。l 上では y=x であるから、l1 との交点は axx=2a+2 より x=2(a+1)a1 である。したがって A(2(a+1)a1,2(a+1)a1) である。同様に B(2(b+1)b1,2(b+1)b1) である。

三角形の一辺ABは直線 l 上にあり、頂点Pは x+y=4>0 をみたす。点 (1,1)1+1=2>0 をみたすので、辺ABに関してはPと同じ側にある。

残りの2辺について調べる。直線 l1Fa(x,y)=ax+y2a2=0 と表す。点 (1,1) が、辺 l1 に関してBと同じ側にあることが必要十分である。計算すると Fa(1,1)=a+12a2=a1 であり、またBは l2l の交点だから Fa(B)=4(ab)b1 である。したがって (a1)4(ab)b1>0 すなわち (a+1)(ab)b1<0 が必要である。

同様に、直線 l2Fb(x,y)=bx+y2b2=0 と表す。点 (1,1) が、辺 l2 に関してAと同じ側にあることから Fb(1,1)=b1,Fb(A)=4(ba)a1 であり、(b1)4(ba)a1>0 すなわち (b+1)(ab)a1>0 を得る。

この2つの不等式を、a,b1,1 を境にどの範囲にあるかで整理する。すると、ちょうど一方だけが (1,1) に入り、他方は (,1) または (1,) に入るときに成り立つ。

したがって求める範囲は 1<a<1,b<1または b>1 または 1<b<1,a<1または a>1 である。ab 平面では、直線 a=±1b=±1 を境界とする9領域のうち、一方の座標だけが (1,1) に入る4つの開領域である。境界は内部条件をみたさないので含めない。

総評

3直線が作る三角形を、共通点Pと底辺上の2点で整理する図形と不等式の問題である。目安時間は24分。(2) では l1,l2 が同じ固定点を通ることから、三角形が壊れる条件を平行・一致に限定できる。(3) は図だけで判断せず、各辺に関する同じ側条件を符号で書くのが安全である。境界 a=1b=1 は点 (1,1) が辺上に来るため、内部には含まれない。 答案の図では、境界4直線を破線にし、ちょうど一方の変数だけが (1,1) にある4つの開領域を塗ると包含関係が明確になる。

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出典: 北海道大学 2011年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。