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北海道大学 2010年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第4問

座標平面上の点 (x,y) を点 (x,y) に移す点の移動 f が、行列A=(abcd)を用いて(xy)=A(xy)で表されるとき、f を1次変換といい、Af を表す行列という。

t を実数とし、3点P(1,3),Q(2,1),R(t,13t25)をとる。

(1) PQ に移し、QP に移す1次変換 g を表す行列を求めよ。

(2) さらに、gRR 自身に移すとする。このときの t,R を求めよ。

(3) (2)で求めた R のうち t<0 であるものについて、集合 {f(P),f(Q),f(R)} が集合 {P,Q,R} と等しくなるような1次変換 f の個数を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安24

行列図形と方程式 ベクトル成分計算文字消去数え上げ

方針

P,Q が一次独立であることを使い,それらの像を列ベクトルで並べて行列を求める。固定点条件は Ax=x として動かない点が並ぶ直線を出し,放物線上の点 R との交点を求める。最後は t<0 のとき P+Q+R=0 になることを使い,3点の順列がすべて線形変換として実現することを確認する。

解答

(1)

線形変換 g の表す行列をA=(abcd)とする。g は点 P(1,3)Q(2,1) に,点 Q(2,1)P(1,3) に移すので,A(13)=(21),A(21)=(13)である。

列ベクトルを並べて書くとA(1231)=(2113).よってA=(2113)(1231)1.ここで(1231)1=17(1231)=17(1231)である。したがってA=17(2113)(1231)=17(5385).よってA=17(5385)である。

(2)

Rg によって動かないとは,R が動かない点の直線上にあるということである。R=(t,t2/35) とおき,A(xy)=(xy)を解く。すなわち17(5385)(xy)=(xy)より 5x+3y=7x,8x5y=7y. どちらからも y=23x を得る。

したがって R が固定されるには t235=23t であればよい。両辺に3を掛けて t215=2t すなわち t22t15=0. よって (t5)(t+3)=0 であり,t=5,3 である。対応する点は t=5R=(5,103), t=3R=(3,2). したがって R=(5,103), (3,2) である。

動かない点の直線と R の放物線の交点が2つの候補を与える。

(3)

t<0 の場合,(2) より R=(3,2) である。このとき P+Q+R=(1,3)+(2,1)+(3,2)=(0,0) である。すなわち R=PQ である。また P,Q は一次独立であるから,P,Q の行き先が決まれば線形変換は一意に定まる。

集合 {P,Q,R} を自分自身に移す線形変換を考える。P,Q,R の像はこの3点の順列にならなければならない。任意の順列を選んだとき,たとえば PU,QV と定めると,線形性により R=PQUV である。ところが P+Q+R=0 なので,U,V,WP,Q,R の順列なら UV=W が残りの1点になる。したがって,どの順列も実際に条件を満たす線形変換を与える。

3点の順列は 3!=6 通りである。よって求める線形変換の個数は 6 である。

総評

難度は10段階中6、計算量は10段階中5。試験場での目安は24分で、位置づけは標準的な完答対象である。主な採点点は、2点の像から行列を決め、3点の一次関係 P+Q+R=0 で置換可能性を数えること。注意点は、任意の対応が線形変換になるのではなく、一次関係を保つ必要があること。

補足。線形変換は基底の行き先で一意に決まるため,P,Q を並べた行列を使うと最短で g の行列が出る。(2) は固定される点の直線と R の軌跡の交点問題である。(3) では単に 3! と数えるだけでなく,線形性が R=PQ という関係を保存するため任意の順列が実現できる,という確認が必要である。

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出典: 北海道大学 2010年度 後期 理系 第4問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。