方針
が一次独立であることを使い,それらの像を列ベクトルで並べて行列を求める。固定点条件は として動かない点が並ぶ直線を出し,放物線上の点 との交点を求める。最後は のとき になることを使い,3点の順列がすべて線形変換として実現することを確認する。
解答
(1)
線形変換 の表す行列をとする。 は点 を に,点 を に移すので,である。
列ベクトルを並べて書くとよってここでである。したがってよってである。
(2)
が によって動かないとは, が動かない点の直線上にあるということである。 とおき,を解く。すなわちより どちらからも を得る。
したがって が固定されるには であればよい。両辺に3を掛けて すなわち よって であり, である。対応する点は したがって である。
動かない点の直線と の放物線の交点が2つの候補を与える。
(3)
の場合,(2) より である。このとき である。すなわち である。また は一次独立であるから, の行き先が決まれば線形変換は一意に定まる。
集合 を自分自身に移す線形変換を考える。 の像はこの3点の順列にならなければならない。任意の順列を選んだとき,たとえば と定めると,線形性により である。ところが なので, が の順列なら が残りの1点になる。したがって,どの順列も実際に条件を満たす線形変換を与える。
3点の順列は 通りである。よって求める線形変換の個数は である。
総評
難度は10段階中6、計算量は10段階中5。試験場での目安は24分で、位置づけは標準的な完答対象である。主な採点点は、2点の像から行列を決め、3点の一次関係 で置換可能性を数えること。注意点は、任意の対応が線形変換になるのではなく、一次関係を保つ必要があること。
補足。線形変換は基底の行き先で一意に決まるため, を並べた行列を使うと最短で の行列が出る。(2) は固定される点の直線と の軌跡の交点問題である。(3) では単に と数えるだけでなく,線形性が という関係を保存するため任意の順列が実現できる,という確認が必要である。