方針
とおき、点Qを対称軸方向の単位ベクトル、点Rをそれに垂直な単位ベクトルとして見る。(1)(2) では加法定理を使って、Qは固定され、Rは符号反転することを計算で示す。(3) は任意の点をQ方向成分とR方向成分に分解できることから、Q方向は保ち、垂直方向だけ反転する変換、すなわち直線 に関する対称移動であると結論する。
解答
(1) とおく。すると である。行列で写すとである。
加法定理より であり、 である。したがって である。
(2)
同じく とおくと である。よってである。
第1成分は であり、第2成分は である。したがって である。
(3)
点Qは であるから、原点を通る直線 の方向を表している。また点Rは であり、 だから、Q方向に垂直な方向を表している。
(1) より はQ方向の点を動かさず、(2)よりR方向の点を反対向きに移す。任意の点は、Q方向成分とR方向成分の和として一意に表せるので、 は直線 に平行な成分を保ち、それに垂直な成分だけ符号を変える。
したがって は直線 に関する対称移動である。
別解
解法2(中点と垂直条件)
方針
(1) (2) は半角 を用いて行列を直接作用させる。(3) は とおき、任意の点 と像 を結ぶ線分が直線 に垂直で、その中点がこの直線上にあることを示す。固定方向と垂直方向の基底分解を使わず、対称移動の幾何的な必要十分条件から確認する。
解答
(1)
とおく。加法定理からである。
(2)
同様にである。
(3)
とおく。半角公式より任意の点 の像 はである。したがって直線 の方向ベクトルは であり、
だから、線分 は に垂直である。
また、線分 の中点を とするとであり、 は 上にある。よって、任意の について
は線分 の垂直二等分線である。したがって はに関する対称移動である。
総評
半角で表された2方向を、対称軸方向と垂直方向として読む行列の図形問題である。目安時間は18分。(1)(2) の計算は加法定理だけで済むが、符号を間違えると対称移動ではなく回転のように見えてしまう。(3) では、Qが固定されRが反転することに加えて、QとRが互いに垂直で任意の点をその2方向に分解できることを述べると、対称移動である理由が明確になる。 基底分解による証明に加え、任意の点と像の中点・垂直条件を確認すれば、「線形変換だから」という省略に頼らず対称移動を証明できる。