方針
(1) はを考え、端点で0、内側で上に凸ではなく上側にふくらむ形になることから正を示す。これによりと単調増加を帰納的に得る。(2)ではをと見て、の単調性を調べる。に置き換えるととなり、そのyに関する増加性からはxに関して減少する。(3)は単調有界性での極限を出し、はで挟み込みにより0へ収束させる。
解答
(1) とおく。 において である。また である。したがって、 のグラフは区間 で上に凸ではなく下にふくらみ、両端で0をとるので である。すなわち が成り立つ。 と仮定すると、 だから であり、さらに上の不等式から である。 は をみたすので、数学的帰納法により、すべての自然数 について が成り立つ。
(2) とおくと である。ここで とおくとであるから である。 とおく。 とすると、 であり、 の符号は の符号と同じである。そこで とおくと であり、 であるから である。したがって であり、 は について増加する。
一方 なので、 が増加すると は減少する。よって は について減少する。(1)より であるから である。
(3)
(1)より は単調増加であり、しかも で上に有界である。したがって極限 が存在し、 である。漸化式の両辺の極限を取ると である。
もし なら、(1)で示した不等式から となり矛盾する。したがって である。
次に である。 とおくと、 より であり、 である。 では が成り立つので、 としてである。右辺は0に近づくから、はさみうちにより である。以上より である。
別解
解法2(凹関数の弦と割線の傾き)
方針
が区間で狭義凹関数であることを利用する。グラフは両端を結ぶ弦より上にあるため反復列は増加する。または点と固定点を結ぶ割線の傾きであり、凹関数では左端を右へ動かすとこの傾きが減少する。
解答
(1) だから、 は で狭義凹関数である。また なので、そのグラフは両端を結ぶ弦 より上にある。したがってである。 からこの関係を繰り返し用いれば、すべての についてを得る。
(2)
よりである。これはグラフ上の2点 , を結ぶ割線の傾きである。
狭義凹関数では に対してが成り立つ。実際、 と書けば、狭義凹性から となり、整理して上式を得る。(1)より だからである。
(3)
は増加し、1を上界にもつので極限 が存在する。漸化式から であるが、 では だから、 でなければならない。よってである。
さらに は における の左割線の傾きであり、 だからとなる。
総評
三角関数で定義された反復数列の単調性と差商の単調性を調べる問題。目安時間は24分。(1)はを端点と2階微分で示すのが安定する。(2)はを関数として見直し、で余弦の式へ変換するのが核心である。最後の極限では、を固定点方程式だけでなく(1)の不等式で絞り、はで0へ挟むと厳密になる。