Evolton

北海道大学 2021年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

kk>1を満たす実数とする。
直線l:y=(1k)x+kおよび放物線C:y=x2を考える。
Clで囲まれた部分の面積をS1とし,
Clと直線x=2の3つで囲まれた部分の面積をS2とする。

(1) S1kを用いて表せ。

(2) S2kを用いて表せ。

(3) kk>1を満たしながら動くとき,S2S1の最大値を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安11

積分関数 面積計算定積分評価微分による最大最小

方針

まず放物線と直線の交点を求め,k>1 から交点の順序が k<1 であることを確認する。S1 はこの2交点間で直線が上,放物線が下になる面積であり,S21x2 で放物線が上,直線が下になる面積である。差 S2S1 は因数分解して k の関数として最大化する。微分で増減を見る方法に加え,因数分解後の不等式でも最大値を確認できる。

解答

(1)

放物線 C:y=x2 と直線 l:y=(1k)x+k の交点は x2=(1k)x+k より x2(1k)xk=0,(x1)(x+k)=0 である。したがって交点の x 座標は k,1 である。k>1 より k<1 である。 k<x<1 では (1k)x+kx2=(x1)(x+k)>0 なので,直線が放物線より上にある。よってS1=k1{(1k)x+kx2}dx=k1(1x)(x+k)dx.ここで u=x+k とおくと,x=ku=0x=1u=k+1 であり,(1x)(x+k)={(k+1)u}u だからS1=0k+1{(k+1)uu2}du=(k+1)36である。

(2) 1<x2 では (x1)(x+k)>0 であり,x2{(1k)x+k}=(x1)(x+k)>0 だから,放物線が直線より上にある。したがってS2=12{x2((1k)x+k)}dx=12{x2x+kxk}dx=[x33x22+kx22kx]12=56+k2=3k+56.(3)

(1) (2) よりS2S1=3k+5(k+1)36=k33k2+46=(k1)(k+2)26.これを D(k) とおくと,D(k)=12k(k+2) である。k>1 において,1<k<0 では D(k)>0k>0 では D(k)<0 である。したがって D(k)k=0 で最大となる。最大値は D(0)=23 である。

別解

解法2(平方因子で最大値を直接評価する方法)

方針

交点から S1,S2 を求めるところまでは同じである。面積差を k+2 の式に直し,最大候補との差を平方因子に分解することで,微分を使わずに最大値と等号条件を同時に決める。

解答

(1)
交点方程式はx2=(1k)x+k(x1)(x+k)=0.k>1 より k<1 であり,この区間では直線が放物線より上にある。したがってS1=k1(1x)(x+k)dx=(k+1)36.(2)
1<x2 では放物線が直線より上にあるからS2=12{x2(1k)xk}dx=3k+56.(3)
以上からS2S1=(k1)(k+2)26.ここで t=k+2 とおくと,k>1 より t>1 であり,S2S1=3t2t36.この式と 23 との差を取ると23(S2S1)=t33t2+46=(t2)2(t+1)60.t>1 では t+1>0 なので,等号は t=2,すなわち k=0 のときに限る。よってmax(S2S1)=23である。

総評

難度6、計算量5。想定時間は11分程度。交点の順序と上下関係を確認してから積分する面積問題である。S1では直線が上、S2では放物線が上なので、積分の引き算の順序が変わる。面積差は微分で増減を追う方法と、最大候補との差を平方因子に分ける方法の2通りで検算した。どちらでも等号条件はk=0、最大値は2/3となる。

冊子PDFで見る北大の積分の問題で問題集を作る

出典: 北海道大学 2021年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。