方針
まず放物線と直線の交点を求め,k>−1 から交点の順序が −k<1 であることを確認する。S1 はこの2交点間で直線が上,放物線が下になる面積であり,S2 は 1≦x≦2 で放物線が上,直線が下になる面積である。差 S2−S1 は因数分解して k の関数として最大化する。微分で増減を見る方法に加え,因数分解後の不等式でも最大値を確認できる。
解答
(1)
放物線 C:y=x2 と直線 l:y=(1−k)x+k の交点は x2=(1−k)x+k より x2−(1−k)x−k=0,(x−1)(x+k)=0 である。したがって交点の x 座標は −k,1 である。k>−1 より −k<1 である。 −k<x<1 では (1−k)x+k−x2=−(x−1)(x+k)>0 なので,直線が放物線より上にある。よってS1=∫−k1{(1−k)x+k−x2}dx=∫−k1(1−x)(x+k)dx.ここで u=x+k とおくと,x=−k で u=0,x=1 で u=k+1 であり,(1−x)(x+k)={(k+1)−u}u だからS1=∫0k+1{(k+1)u−u2}du=6(k+1)3である。
(2) 1<x≦2 では (x−1)(x+k)>0 であり,x2−{(1−k)x+k}=(x−1)(x+k)>0 だから,放物線が直線より上にある。したがってS2=∫12{x2−((1−k)x+k)}dx=∫12{x2−x+kx−k}dx=[3x3−2x2+2kx2−kx]12=65+2k=63k+5.(3)
(1) (2) よりS2−S1=63k+5−(k+1)3=6−k3−3k2+4=−6(k−1)(k+2)2.これを D(k) とおくと,D′(k)=−21k(k+2) である。k>−1 において,−1<k<0 では D′(k)>0,k>0 では D′(k)<0 である。したがって D(k) は k=0 で最大となる。最大値は D(0)=32 である。
別解
解法2(平方因子で最大値を直接評価する方法)
方針
交点から S1,S2 を求めるところまでは同じである。面積差を k+2 の式に直し,最大候補との差を平方因子に分解することで,微分を使わずに最大値と等号条件を同時に決める。
解答
(1)
交点方程式はx2=(1−k)x+k⟺(x−1)(x+k)=0.k>−1 より −k<1 であり,この区間では直線が放物線より上にある。したがってS1=∫−k1(1−x)(x+k)dx=6(k+1)3.(2)
1<x≦2 では放物線が直線より上にあるからS2=∫12{x2−(1−k)x−k}dx=63k+5.(3)
以上からS2−S1=−6(k−1)(k+2)2.ここで t=k+2 とおくと,k>−1 より t>1 であり,S2−S1=63t2−t3.この式と 32 との差を取ると32−(S2−S1)=6t3−3t2+4=6(t−2)2(t+1)≧0.t>1 では t+1>0 なので,等号は t=2,すなわち k=0 のときに限る。よってmax(S2−S1)=32である。
総評
難度6、計算量5。想定時間は11分程度。交点の順序と上下関係を確認してから積分する面積問題である。S1では直線が上、S2では放物線が上なので、積分の引き算の順序が変わる。面積差は微分で増減を追う方法と、最大候補との差を平方因子に分ける方法の2通りで検算した。どちらでも等号条件はk=0、最大値は2/3となる。
冊子PDFで見る北大の積分の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 2021年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。