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北海道大学 2022年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

0ab1をみたすa,bに対し,関数f(x)=x(x1)+(xa)(xb)を考える。xが実数の範囲を動くとき,f(x)は最小値mをもつとする。

(1) x<0およびx>1ではf(x)>mとなることを示せ。

(2) m=f(0)またはm=f(1)であることを示せ。

(3) a,b0ab1をみたして動くとき,mの最大値を求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

関数方程式・不等式 絶対値の処理、場合分け、範囲評価

方針

絶対値の符号は、点 0,a,b,1 を境に変わる。まず x<0x>1 では2つの積がどちらも正になり、f(0) または f(1) より大きいことを示して最小候補から外す。次に [0,1] 内を [0,a][a,b][b,1] に分け、線形または上に凸の2次式として端点だけを調べればよいことを示す。最後に m=min{ab,(1a)(1b)} を得て、その最大値を求める。

解答

(1) x<0 のとき、x<0ab1 だから x(x1)>0,(xa)(xb)>0 である。よって f(x)=x(x1)+(xa)(xb)=2x2(1+a+b)x+ab である。ここで x<0 なので 2x2>0 かつ (1+a+b)x>0 であり、f(x)>ab=f(0)m となる。

次に x>1 のときも、x(x1)>0(xa)(xb)>0 であるから同じく f(x)=2x2(1+a+b)x+ab である。この式を F(x) とおくと F(x)=4x(1+a+b) であり、x>1a+b2 より F(x)>4(1+a+b)1>0 である。したがって x>1 では F(x)>F(1) であり、f(x)>f(1)m となる。

(2)
(1) より、最小値は 0x1 の範囲で考えればよい。 0xa では x(x1)0,(xa)(xb)0 なので f(x)=x(x1)+(xa)(xb)=(1ab)x+ab である。これは一次関数だから、この区間での最小値は端点 x=0,a のいずれかでとる。 axb では x(x1)0,(xa)(xb)0 なので f(x)=x(x1)(xa)(xb)=2x2+(1+a+b)xab である。これは上に凸の2次関数であるから、この区間での最小値は端点 x=a,b のいずれかでとる。 bx1 では x(x1)0,(xa)(xb)0 なので、再び f(x)=(1ab)x+ab であり、最小値は端点 x=b,1 のいずれかでとる。

したがって [0,1] での最小値は f(0),f(a),f(b),f(1) のいずれかである。ここで f(0)=ab,f(1)=(1a)(1b), f(a)=a(1a),f(b)=b(1b) である。 a+b1 なら、b1a かつ a1b であるから aba(1a),abb(1b) である。よってこの場合は f(0)f(a),f(b) 以下である。 a+b1 なら、1ba かつ 1ab であるから (1a)(1b)a(1a),(1a)(1b)b(1b) である。よってこの場合は f(1)f(a),f(b) 以下である。

以上より、最小値 m は必ず m=f(0)またはm=f(1) である。

(3)
(2) より m=min{ab,(1a)(1b)} である。 a+b1 のときは ab(1a)(1b) なので m=ab である。このとき b1a だから m=aba(1a)14 である。 a+b1 のときは (1a)(1b)ab なので m=(1a)(1b) である。u=1bv=1a とおくと、0uv かつ u+v1 であり、m=uv14 である。

一方、a=b=12 とすると f(0)=f(1)=14 であり、(2) より m=14 である。したがって m の最大値は 14 である。

別解

別解(対称変換と最小値の直接評価)

方針

a+b1 の場合に f(x)ab を区間ごとに直接示す。a+b1(x,a,b)(1x,1b,1a) の対称性で前者へ帰着する。最大値は2候補の積による上界で一度に評価する。

解答

(1)
x<0 ではf(x)=2x2(1+a+b)x+ab>ab=f(0)m.次にx=1x,a=1b,b=1aと置くと 0ab1 であり、直接代入からfa,b(x)=fa,b(x)が成り立つ。x>1 なら x<0 だから、上の結果を変換後の関数へ適用してfa,b(x)>fa,b(0)=fa,b(1)m.(2)
まず a+b1 とする。0xa および bx1 ではf(x)=ab+(1ab)xab.axb ではf(x)=2x2+(1+a+b)xabは上に凸であるから、区間内の最小値は端点でとる。しかもf(a)=a(1a)ab,f(b)=b(1b)abである。よって全区間で f(x)ab=f(0)、したがって m=f(0) である。

a+b1 の場合は上の対称変換により a+b=2ab1 となる。したがって変換後の最小値は fa,b(0)=fa,b(1) であり、m=f(1) である。以上で m=f(0) または m=f(1) が示された。

(3)
(2) よりm=min{ab,(1a)(1b)}.したがってm2ab(1a)(1b)={a(1a)}{b(1b)}116.m0 だから m1/4 である。一方、a=b=1/2 なら2候補はともに 1/4 となる。ゆえに最大値は14である。

総評

絶対値付き関数の最小値を、区間分割と端点比較で絞り込む問題。目安時間は18〜25分。(1) で実数全体から [0,1] へ範囲を狭め、(2) で候補を 0,1 へ落とす設問連鎖が重要である。区分二次式による主解法と、x1x の対称性を使う別解が相互検算になる。公式講評では絶対値を適切に外せず (3) まで進めない答案が多く、各区間の符号表を先に作ることが実戦上の要点とされる。最大値 1/4 は等号条件 a=b=1/2 まで確認する。

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出典: 北海道大学 2022年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。