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北海道大学 2022年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

複素数zに関する次の2つの方程式を考える。
ただし,zˉzと共役な複素数とし,iを虚数単位とする。zzˉ=41z=z3+i2(1) ①,②それぞれの方程式について,
その解z全体が表す図形を複素数平面上に図示せよ。

(2) ①,②の共通解となる複素数をすべて求めよ。

(3) (2)で求めたすべての複素数の積をwとおく。
このとき,wnが負の実数となるための整数nの必要十分条件を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

複素数平面整数 実部虚部比較、円の性質三角比の利用、剰余分類

方針

z=x+yi とおき、zzˉ=4 を原点中心半径2の円に、z=z3+i を2点 (0,0)(3,1) から等距離の直線に直す。共通解は円と直線の交点として求める。最後に2つの共通解の積 w を極形式にし、wn が負の実数となる偏角条件を 6 を法とする合同条件で表す。整数 n は負の場合も含めて扱う。

解答

(1) z=x+yi とおく。すると zzˉ=x2+y2 であるから、方程式 x2+y2=4 を表す。これは複素数平面上で、原点を中心とする半径 2 の円である。

次に、z=z3+i は、点 (0,0) と点 (3,1) からの距離が等しい点の集合である。式で整理すると x2+y2=(x3)2+(y+1)2 であり、展開して 3xy=2 を得る。したがって方程式 は、線分 (0,0)(3,1) の垂直二等分線である直線 3xy=2 を表す。

(2)
共通解は x2+y2=4,3xy=2 の交点である。直線から y=3x2 である。これを円の式に代入すると x2+(3x2)2=4 となり、4x243x=0 すなわち 4x(x3)=0 である。よって x=0,3 である。 x=0 のとき y=2x=3 のとき y=1 である。したがって共通解は 2i,3+i である。

別解。共通解は極形式で求めてもよい。 より z=2(cosθ+isinθ) とおける。このとき の直線条件 3xy=232cosθ2sinθ=2 すなわち 3cosθsinθ=1 である。左辺は 2cos(θ+π6) だから cos(θ+π6)=12 となる。したがって θ=π6,π2 を得て、共通解は 3+i2i である。これは座標で求めた結果と一致する。

(3)
(2) で求めたすべての複素数の積は w=(2i)(3+i)=223i である。絶対値は w=22+(23)2=4 であり、偏角は π3 ととれる。したがってw=4(cos(π3)+isin(π3))である。

整数 n に対してwn=4n(cos(nπ3)+isin(nπ3))である。4n は正の実数なので、wn が負の実数となるための必要十分条件は nπ3π(mod2π) である。これは n3(mod6) すなわち n3(mod6) と同値である。

よって求める条件は n=6q+3(qZ) である。

別解

別解(複素内積と6乗周期)

方針

等距離条件を絶対値の2乗で展開し、実部条件として扱う。円との交点は単位複素数の偏角で求め、最後は正規化した複素数の6乗周期から整数条件を読む。

解答

(1)
第1の方程式はz2=zz=4だから、原点中心・半径2の円を表す。第2の方程式で c=3i と置くとz2=zc2=z22Re(zc)+c2.c2=4c=3+i だからRe{z(3+i)}=2.(1)これは0と c の垂直二等分線であり、z=x+yi とすれば 3xy=2 である。

(2)
z=2 より z=2uu=1 と置く。u=cosθ+isinθ とすれば、(1) と3+i=2(cosπ6+isinπ6)から2cos(θ+π6)=1.したがってθ=π6,π2(mod2π).よって共通解はz=3+i,z=2iである。

(3)
積は w=223i である。正規化してu=w4=13i2と置く。直接計算するとu3=1,u6=1.したがって整数 n に対し unn を6で割った余りだけで決まり、負の実数となるのは余りが3のときに限る。wn=4nun4n>0 は負の整数 n に対しても成り立つから、必要十分条件はn3(mod6),すなわちn=6q+3(qZ)である。

総評

複素数平面の図形解釈と整数条件を結ぶ問題。目安時間は12〜16分。zzˉ=4 は円、等距離条件は垂直二等分線であり、座標計算と実部条件の2解法で交点を検算できる。(3) はド・モアブルの定理による偏角合同と、(w/4)6=1 の周期性が独立な説明になる。公式講評では交点座標の書き落とし、不正確な図、絶対値を n 乗し忘れる誤答が指摘された。4n>0 と「整数 n」を明示し、qZ まで書く。

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出典: 北海道大学 2022年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。