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北海道大学 2023年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

複素数平面上における図形C1,C2,,Cn,
次の条件(A)と(B)をみたすとする。ただし,iは虚数単位とする。

(A) C1は原点Oを中心とする半径2の円である。

(B) 自然数nに対して,zCn上を動くとき
2w=z+1+iで定まるwの描く図形がCn+1である。

(1) すべての自然数nに対して,Cnは円であることを示し,
その中心を表す複素数αnと半径rnを求めよ。

(2) Cn上の点とOとの距離の最小値をdnとする。このとき,dnを求めよ。
また,limndnを求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安16

複素数平面数列 漸化式の変形軌跡極限計算

方針

写像 w=(z+1+i)/2 は,複素数平面上で中心を (1+i)/2 だけずらしながら倍率 1/2 に縮小する相似変換である。したがって円は円に移り,中心と半径は αn+1=(αn+1+i)/2rn+1=rn/2 を満たす。中心は固定点 1+i へ近づく等比型として解く。(2) は原点が円の内部または周上にあるかを比べ,dn=max{0,αnrn} とする。

解答

(1)
条件(B)より w=z+1+i2 である。この対応は,すべての点を倍率 1/2 で縮小し,さらに平行移動する相似変換である。したがって円は円に移る。 Cn の中心を表す複素数を αn,半径を rn とする。z が中心 αn,半径 rn の円上を動くとき,w の中心と半径は αn+1=αn+1+i2,rn+1=rn2 である。初期条件は α1=0,r1=2 である。

まず半径は rn=22n1 である。中心については,固定点 1+i を用いて αn+1(1+i)=12{αn(1+i)} と書ける。よってαn(1+i)=(12)n1(α1(1+i))=1+i2n1である。したがって αn=(1+i)(112n1) である。

(2)
中心が αn,半径が rn の円上の点と原点との距離の最小値は,原点が円の内部または周上にあるとき 0,外部にあるとき αnrn である。したがって dn=max{0,αnrn} である。

ここでαn=2(112n1),rn=22n1である。n=1 では明らかに原点は円の中心であり,d1=0 である。n=2 では α2=22<1=r2 なので d2=0 である。 n3 ではαnrn=2(112n1)22n1>0であるから,dn=2(112n1)22n1(n3)となる。よってd1=d2=0,dn=2(112n1)22n1(n3)である。 n とすると 2(n1)0 なので limndn=2 である。

別解

別解(相似変換を直接反復する)

方針

写像 T(z)=(z+1+i)/2 の固定点を求め,Tn1 を直接計算する。円全体への作用が一式で分かる。

解答

(1)
写像T(z)=z+1+i2の固定点は 1+i である。したがってT(z)(1+i)=12{z(1+i)}であり,反復するとTn1(z)=(1+i)+z(1+i)2n1.(1)C1 上では z=2 である。(1) は中心をαn=(1+i)(112n1)へ移し,中心からのベクトルを 2(n1) 倍する。よって Cn は円であり,αn=(1+i)(112n1),rn=22n1.(2)
原点から中心までの距離はαn=2(112n1).円が原点を含む場合の最小距離は0,含まない場合は中心距離から半径を引いた値なのでdn=max{0,2(112n1)22n1}.括弧内は n=1,2 で負,n3 で正である。したがってd1=d2=0,dn=2(112n1)22n1(n3).ゆえにlimndn=2.

総評

複素数平面の相似変換と等比数列を合わせる問題。目安時間は16分。円の全点を直接追うのではなく,中心と半径だけを更新するのが核心である。中心の漸化式は固定点 1+i との差を取るとすぐ解ける。(2) では原点から円までの最短距離が常に αnrn とは限らず,原点が円の内部にある n=1,2 では 0 になる点に注意する。 漸化式と相似変換の反復で中心・半径・極限が一致した。 漸化式と相似変換の反復で中心・半径・極限が一致した。 漸化式と相似変換の反復で中心・半径・極限が一致した。

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出典: 北海道大学 2023年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。