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北海道大学 2023年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

aba2+b2<1をみたす正の実数とする。また,座標平面上で原点を中心とする半径1の円をCとし,
Cの内部にある2点A(a,0)B(0,b)を考える。
0<θ<π2に対してC上の点P(cosθ,sinθ)を考え,
PにおけるCの接線に関してBと対称な点をDとおく。

(1) f(θ)=abcos2θ+asinθbcosθとおく。
方程式f(θ)=0の解が
0<θ<π2の範囲に少なくとも1つ存在することを示せ。

(2) Dの座標をbθを用いて表せ。

(3) θ0<θ<π2の範囲を動くとき,
3点APDが同一直線上にあるようなθは少なくとも1つ存在することを示せ。
また,このようなθはただ1つであることを示せ。

難易度8/ 10計算量7/ 10目安25

図形と方程式三角関数論証・証明 座標設定不等式評価、存在証明、一意性証明

方針

(1)f(θ) が連続であることと,端での符号 f(0)<0f(π/2)>0 を使う。(2) は接線を xcosθ+ysinθ=1 とし,点を直線に関して反射する公式を法線方向 (cosθ,sinθ) に沿って書く。(3) は A,P,D の共線条件を2つの方向ベクトルの比例,または面積0の条件で整理して f(θ)=0 に帰着する。一意性は f(θ)>0 を示すため,u=acosθ+bsinθ とおいて 0<u<14absinθcosθu2 を使う。

解答

(1) 0<θ<π/2f(θ) は連続である。端での値を考えると f(0)=abb=b(a1) である。a2+b2<1a>0 より a<1 なので f(0)<0 である。また f(π2)=ab+a=a(1b) であり,b<1 だから f(π2)>0 である。よって中間値の定理により,f(θ)=00<θ<π2 に少なくとも1つ解をもつ。

(2) P=(cosθ,sinθ) における単位円 C の接線は xcosθ+ysinθ=1 である。この直線の法線方向は (cosθ,sinθ) である。

B=(0,b) について,直線の左辺の値は bsinθ である。したがって B から接線まで法線方向に進む距離は,符号つきで 1bsinθ である。反射点 D は,B から接線までの法線方向の移動を2倍した点なので D=B+2(1bsinθ)(cosθ,sinθ) である。よってD=(2(1bsinθ)cosθ,b+2(1bsinθ)sinθ)である。

(3) c=cosθs=sinθ とおく。A=(a,0)P=(c,s) であり,(2)より D=(2(1bs)c, b+2(1bs)s) である。

3点 A,P,D が同一直線上にあることは,APAD が平行であることと同値である。したがって (ca){b+2(1bs)s}s{2(1bs)ca}=0 である。これを整理すると (ca)b+2s(ca)(1bs)2sc(1bs)+as=0 であり,bcab+as2as(1bs)=0 となる。さらに整理して ab(2s21)+asbc=0 である。2s21=cos2θ を用い,両辺に 1 を掛けると abcos2θ+asinθbcosθ=0 となる。これは f(θ)=0 である。したがって(1)より,条件を満たす θ は少なくとも1つ存在する。

次に一意性を示す。微分すると f(θ)=acosθ+bsinθ4absinθcosθ である。ここで u=acosθ+bsinθ とおく。a,b>00<θ<π/2 より u>0 である。また,a2+b2<1cos2θ+sin2θ=1 より u<1 である。

さらに u24absinθcosθ=(acosθbsinθ)20 だから 4absinθcosθu2 である。よって f(θ)=u4absinθcosθuu2=u(1u)>0 である。

したがって f(θ)0<θ<π/2 で狭義単調増加である。f(θ)=0 の解は高々1つであり,すでに存在は示したので,条件を満たす θ はただ1つである。

別解

別解(法線射影と行列式)

方針

接線の単位法線への射影で反射点を一式に表す。3点の共線条件を2次の行列式で判定し,得られた関数の導関数を評価する。

解答

(1)
a2+b2<1a,b>0 より 0<a<10<b<1 である。したがってf(0)=b(a1)<0,f(π2)=a(1b)>0.f は閉区間で連続なので,中間値の定理から0<θ<π2に少なくとも一つ零点がある。

(2)
c=cosθs=sinθ とおく。接線はcx+sy=1であり,n=(c,s) はその単位法線ベクトルである。点 B=(0,b) から接線までの法線方向の符号つき長さは1Bn=1bs.反射ではこの移動を2倍するからD=B+2(1bs)n.よってD=(2(1bsinθ)cosθ,b+2(1bsinθ)sinθ).(3)
A=(a,0)P=(c,s) とし,(2) の D を用いる。3点が共線であるための必要十分条件はdet(AP,AD)=0.左辺を整理すると{abcos2θ+asinθbcosθ}=f(θ)となる。したがって (1) により共線となる θ は少なくとも一つ存在する。

一意性を示すためu=acosθ+bsinθとおく。Cauchy--Schwarzの不等式と仮定から0<u<a2+b2<1.またu24absinθcosθ=(acosθbsinθ)20.ゆえにf(θ)=u4absinθcosθuu2=u(1u)>0.したがって f は区間内で狭義単調増加であり,零点はただ一つである。つまり3点 A,P,D が同一直線上にある θ もただ一つである。

総評

反射点の座標計算,共線条件,単調性証明をつなぐ重めの図形問題。目安時間は25分。(1) の存在は端の符号だけでよいが,a,b<1a2+b2<1 から従うことを使う。(2) は接線の法線方向が P の位置ベクトルそのものである点が鍵である。(3) は共線条件の代数整理が長いため,c=cosθ,s=sinθ と置いて符号を管理する。一意性では acosθ+bsinθ<1 と平方の不等式を組み合わせるのが最短である。 成分比例と行列式で共線条件が一致し、f(θ)>0も再確認した。 成分比例と行列式で共線条件が一致し、f(θ)>0も再確認した。 成分比例と行列式で共線条件が一致し、f(θ)>0も再確認した。

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出典: 北海道大学 2023年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。