方針
(1) 固定値2を引いて等比数列にする。(2) In=∫01fn(t)dt とおく。定義式を積分すると In+1=1+In/2 となり,(1)と同じ漸化式になる。In を求めて定義式へ戻し,最後に n=1 でも公式が成立することを確認する。
解答
(1)
漸化式 an+1=21an+1 について,両辺から2を引くと an+1−2=21(an−2) である。したがって数列 an−2 は初項 a1−2=α−2 公比 1/2 の等比数列である。よって an−2=(α−2)(21)n−1 となり,an=2+2n−1α−2 である。
(2) In=∫01fn(t)dt とおく。定義より fn+1(x)=(n+2)xn+1+Inx である。両辺を 0 から 1 まで積分すると,In+1=∫01(n+2)xn+1dx+In∫01xdx=1+21In.また I1=∫013tdt=23 である。
これは(1)と同じ形の漸化式であり,固定値は2である。したがって In=2+2n−1I1−2=2−2n1 である。
いま,定義式を n−1 に対して用いると,n≧2 で fn(x)=(n+1)xn+In−1x である。上で求めた式から In−1=2−2n−11 なので,fn(x)=(n+1)xn+(2−2n−11)x である。n=1 のときも右辺は 2x+(2−1)x=3x となり,f1(x)=3x と一致する。よってすべての正の整数 n について fn(x)=(n+1)xn+(2−2n−11)x である。
別解
別解(関数列の公式を直接帰納法で証明)
方針
標準解法で得た形を予想し,fn の積分を実行してそのまま fn+1 へ代入する。補助数列 In を明示的に解かない検算用の証明である。
解答
(1)
固定値2を引けば等比数列となるのでan=2+2n−1α−2である。
(2) fn(x)=(n+1)xn+(2−2n−11)x(*)を示す。n=1 では右辺は 2x+(2−1)x=3x=f1(x) である。
ある n で (*) が成り立つと仮定すると∫01fn(t)dt=1+21(2−2n−11)=2−2n1.よって定義式からfn+1(x)=(n+2)xn+1+(2−2n1)x,となり,n+1 でも (*) が成り立つ。数学的帰納法によりすべての正整数 n で (*) が成立する。
総評
【公式出題意図・採点講評との対応】公式は整式列の一次係数,すなわち積分値を追うことを鍵としている。採点講評も積分部分が n だけで決まる定数であることが出発点と述べているため,In を独立に定義した。帰納法の別解も収録した。
難度6,計算量5,想定時間13分。公式問題PDFを原寸確認し,初項は a1=α である。旧データの a1=α1 は転記誤りだったため修正した。添字を一つ戻して In−1 を使う点に注意する。
【独立検算】In=2−2−n を10項まで有理数で生成し,得られた fn を積分して次の定義式へ戻ることを確認した。
冊子PDFで見る北大の数列の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 令和6年度一般選抜(前期日程)数学β(公式問題・出題意図・採点講評)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。