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北海道大学 2025年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

実数aおよび自然数nに対して,定積分I(a,n)=02πeaxsin(nx)dxを考える。ここでeは自然対数の底である。

(1) I(a,n)を求めよ。

(2) an=logn2π(n=1,2,3,)のとき,
極限limnI(an,n)を求めよ。
ただし,lognnの自然対数である。
また,必要ならばlimnlognn=0であることを用いてもよい。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安14

指数・対数積分三角関数 部分積分、定積分評価極限計算

方針

指数関数と三角関数の積の積分は,eax(Asinnx+Bcosnx) の形を微分して係数を合わせるか,部分積分を2回行って求める。評価点 0,2π では sin(2πn)=0cos(2πn)=1 を使う。(2) は an=(logn)/(2π) により e2πan=n となるので,(1) の式に代入し,分子分母を n2 で割って (logn)/n0 を使う。

解答

(1)
不定積分を求める。次の式を微分するとddx{eax{asin(nx)ncos(nx)}a2+n2}=eaxsin(nx)である。実際,分子を微分すると aeax{asin(nx)ncos(nx)}+eax{ancos(nx)+n2sin(nx)} となり,cos(nx) の項が打ち消され,(a2+n2)eaxsin(nx) が残る。したがって eaxsin(nx)dx=eax{asin(nx)ncos(nx)}a2+n2 である。

これを 0 から 2π まで代入する。n は自然数なので sin(2πn)=0,cos(2πn)=1,sin0=0,cos0=1 である。よってI(a,n)=[eax{asin(nx)ncos(nx)}a2+n2]02π=ne2πaa2+n2na2+n2=n(1e2πa)a2+n2である。a=0 の場合もこの式は 0 を与え,直接の積分結果と一致する。

(2) an=logn2π であるから e2πan=elogn=n である。(1) の結果より I(an,n)=n(1n)an2+n2 である。分子分母を n2 で割ると I(an,n)=1n11+(ann)2 である。ここで ann=logn2πn0 であるから limnI(an,n)=011+0=1 である。

別解

解法2(部分積分を2回用いる方法)

方針

I=eaxsin(nx)dx と、途中で現れる余弦積分 J を部分積分で結び、連立して I を求める。公式の誘導意図に沿い、端点で三角関数が簡単になることを使う。

解答

(1) I=02πeaxsin(nx)dx,J=02πeaxcos(nx)dxとおく。sin(nx) を積分する形で部分積分するとI=[1neaxcos(nx)]02π+anJ=1e2πan+anJである。一方、cos(nx) を積分する形で部分積分するとJ=[1neaxsin(nx)]02πanI=anIとなる。これを最初の式へ代入してI=1e2πana2n2IよりI(a,n)=n(1e2πa)a2+n2を得る。a=0 の場合にも両辺は0で一致する。

(2) an=logn2π なので e2πan=n である。したがってI(an,n)=n(1n)an2+n2=1n11+(logn2πn)2.lognn0 よりlimnI(an,n)=1である。

総評

難度6、計算量5、想定時間14分。公式の出題意図は、指数関数と三角関数の積を部分積分で処理し、(1) の結果を (2) の極限へ正確につなぐことにある。原始関数を直接求めてもよいが、部分積分を2回行って I,J を連立する別解は符号を検算しやすい。端点では n が自然数であるため sin(2πn)=0cos(2πn)=1 となる。極限では分子分母を n2 で割り、logn/n0 を明示する。

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出典: 北海道大学 令和7年度一般選抜(前期日程)数学β(公式問題・出題の意図)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。