Evolton

北海道大学 2025年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

aを正の実数とする。

(1) aが1でないとき,複素数zについての方程式az1=(a2)z+aを考える。この方程式を満たすz全体の集合を複素数平面上に図示せよ。

(2) 方程式z2=6a,az1=(a2)z+aをともに満たす複素数zが存在するようなaの範囲を求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安18

複素数平面図形と方程式 実部虚部比較、円の性質軌跡、範囲評価

方針

z=x+yi とおき,絶対値の方程式を両辺2乗して円の方程式に直す。a=1 では因数 a1 で割れないため,(2) で必ず別扱いする。a1 のとき第2方程式は z2=ax,第1方程式 z2=6a と合わせて x=(6a)/a が決まる。あとは半径 6a の円上にその x 座標をもつ点が存在する条件,つまり ((6a)/a)26a6a0 を解く。

解答

(1) z=x+yi とおく。このとき z12=(x1)2+y2 であり,また (a2)z+a=((a2)x+a)+(a2)yi だから (a2)z+a2={(a2)x+a}2+(a2)2y2 である。両辺は0以上なので,与えられた方程式は,両辺を2乗して a2{(x1)2+y2}={(a2)x+a}2+(a2)2y2 と同値である。

これを整理する。左辺から右辺を引くと 4(a1)(x2+y2ax) となる。したがって (a1)(x2+y2ax)=0 である。いま a1 なので x2+y2=ax である。平方完成すると (xa2)2+y2=(a2)2 となる。よって求める集合は中心 (a2,0), 半径 a2 の円である。この円は原点と点 (a,0) を通る。

(2)
まず a=1 の場合を調べる。このとき az1=(a2)z+az1=z+1=z1 となり,すべての z で成り立つ。さらに z2=6a=5 を満たす z は存在する。したがって a=1 は条件を満たす。

以下,a1 とする。(1)より第2の方程式は z2=x2+y2=ax と同値である。一方,第1の方程式は z2=6a である。したがって,解が存在するためにはまず 6a0 が必要である。また z2=6az2=ax より x=6aa である。

半径 6a の円 x2+y2=6a 上に,この x 座標をもつ点が存在するための条件は (6aa)26a である。よって存在条件は 6a0,(6aa)26a である。 a>0 である。6a=0 のとき,すなわち a=6 のときは z=0 が解となる。6a>0 のときは,不等式を 6a で割って 6aa21 すなわち a2+a60 である。これは (a+3)(a2)0 であり,a>0 より a2 を得る。6a0 と合わせて 2a6 である。

以上より,求める範囲は a=1,2a6 である。

例えば a=4 のとき、2円の位置関係は次の図のようになる。

別解

解法2(絶対値の恒等式と2円の交点条件)

方針

絶対値を2乗した差を z2Rez でまとめ、軌跡を円として得る。(2) は原点中心の円との交点条件を、中心間距離と半径から判定する。

解答

(1)
z=x+yi とする代わりに実部を用いて整理する。直接展開するとa2z12(a2)z+a2=4(a1){z2aRez}である。与式の両辺は非負なので、絶対値の等式は2乗後の等式と同値である。a1 よりz2=aRezである。z=x+yi と戻せばx2+y2=ax,(xa2)2+y2=(a2)2.したがって、軌跡は中心 (a/2,0)、半径 a/2 の円である。

(2)
a=1 のとき、絶対値の方程式は恒等的に成り立ち、z2=5 を満たす z が存在するので適する。

以下 a1 とする。(1) の円を C1z2=6a が表す円を C2 とする。2円の中心間距離と C1 の半径はいずれも a/2C2 の半径は 6a である。よってまず a6 が必要である。2円が共有点をもつ条件a26aa2a2+6aの右側は自明であり、左側は 6aa と同値である。したがって6aa2,a6.a>0 より前者は a2 となるので、2a6 である。特別な場合 a=1 を加え、a=1または2a6を得る。端点 a=2,6 でも2円は接して共有点をもつ。

総評

難度7、計算量6、想定時間18分。公式の出題意図は、複素数の絶対値条件を代数的にも幾何的にも扱う力の確認にある。(1) は二乗が同値である理由を両辺非負と確認し、a=1 を割る前に除外する。(2) は a=1 が恒等式になる特別な場合を先に処理する。残りは2円の交点問題であり、中心間距離と半径の条件を使う別解が見通しよい。a=2,6 の端点を不等号から落とさないことも重要である。

冊子PDFで見る北大の複素数平面の問題で問題集を作る

出典: 北海道大学 令和7年度一般選抜(前期日程)数学β(公式問題・出題の意図)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。