方針
とおき,絶対値の方程式を両辺2乗して円の方程式に直す。 では因数 で割れないため,(2) で必ず別扱いする。 のとき第2方程式は ,第1方程式 と合わせて が決まる。あとは半径 の円上にその 座標をもつ点が存在する条件,つまり と を解く。
解答
(1) とおく。このとき であり,また だから である。両辺は0以上なので,与えられた方程式は,両辺を2乗して と同値である。
これを整理する。左辺から右辺を引くと となる。したがって である。いま なので である。平方完成すると となる。よって求める集合はである。この円は原点と点 を通る。
(2)
まず の場合を調べる。このとき は となり,すべての で成り立つ。さらに を満たす は存在する。したがって は条件を満たす。
以下, とする。(1)より第2の方程式は と同値である。一方,第1の方程式は である。したがって,解が存在するためにはまず が必要である。また と より である。
半径 の円 上に,この 座標をもつ点が存在するための条件は である。よって存在条件は である。 である。 のとき,すなわち のときは が解となる。 のときは,不等式を で割って すなわち である。これは であり, より を得る。 と合わせて である。
以上より,求める範囲は である。
例えば のとき、2円の位置関係は次の図のようになる。
別解
解法2(絶対値の恒等式と2円の交点条件)
方針
絶対値を2乗した差を と でまとめ、軌跡を円として得る。(2) は原点中心の円との交点条件を、中心間距離と半径から判定する。
解答
(1)
とする代わりに実部を用いて整理する。直接展開するとである。与式の両辺は非負なので、絶対値の等式は2乗後の等式と同値である。 よりである。 と戻せばしたがって、軌跡は中心 、半径 の円である。
(2)
のとき、絶対値の方程式は恒等的に成り立ち、 を満たす が存在するので適する。
以下 とする。(1) の円を 、 が表す円を とする。2円の中心間距離と の半径はいずれも 、 の半径は である。よってまず が必要である。2円が共有点をもつ条件の右側は自明であり、左側は と同値である。したがって より前者は となるので、 である。特別な場合 を加え、を得る。端点 でも2円は接して共有点をもつ。
総評
難度7、計算量6、想定時間18分。公式の出題意図は、複素数の絶対値条件を代数的にも幾何的にも扱う力の確認にある。(1) は二乗が同値である理由を両辺非負と確認し、 を割る前に除外する。(2) は が恒等式になる特別な場合を先に処理する。残りは2円の交点問題であり、中心間距離と半径の条件を使う別解が見通しよい。 の端点を不等号から落とさないことも重要である。