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北海道大学 2026年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

1個のさいころを投げる試行を繰り返す。最初の持ち点は1とし,3の目が出たときは持ち点を3倍,
5の目が出たときは持ち点を5倍,3と5以外の目が出たときは持ち点を2倍する。
たとえば3回試行して出た目が順に6,3,5のとき,持ち点は1×2=2,2×3=6,6×5=30
変化し,最後の持ち点は30である。次の問いに答えよ。

(1) n2とする。n回試行したとき,最後の持ち点が4の倍数となる確率を求めよ。

(2) 持ち点がはじめて15以上となったときに試行を終了する。
終了するまでに試行した回数の期待値を求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安13

確率場合の数 状態分類、期待値、確率漸化式、場合分け

方針

(1) は3と5以外の目が出た回数だけが2の指数を増やすことに注目し、二項分布の余事象で処理する。(2)は15未満で到達しうる持ち点をすべて列挙し、それぞれの状態から終了までの期待回数を置く。大きい持ち点から順に計算すれば、連立方程式をほとんど作らずに求められる。

解答

(1)
3と5以外の目が出る確率は 46=23 であり、このとき持ち点は2倍される。3または5の目が出る確率は 26=13 であり、このとき2の指数は増えない。 n 回の試行のうち、2倍される回数を X とする。最後の持ち点が4の倍数となるには、2の指数が2以上であればよいので、X2 であればよい。よって余事象を用いると、求める確率は 1P(X=0)P(X=1) である。

したがって P(X=0)=(13)n, P(X=1)=nC1(23)(13)n1=n23(13)n1より、1(13)nn23(13)n1=113n2n3n=12n+13nである。

(2)
持ち点が s の状態から、終了するまでにさらに必要な試行回数の期待値を Es とする。15未満で到達しうる持ち点は 1,2,3,4,5,6,8,9,10,12 である。15以上になった時点で終了するので、次の持ち点が15以上なら、その後に必要な回数は0として扱う。

まず 8,9,10,12 からは、どの目が出ても次の持ち点は15以上になる。したがって E8=E9=E10=E12=1 である。

次に、持ち点が6のとき、2倍の場合だけ12となってまだ終了せず、3倍または5倍では終了する。よって E6=1+23E12=1+23=53 である。同様に、持ち点が5のときは2倍の場合だけ10となるので、E5=1+23E10=53 である。

持ち点が4のときは、2倍で8、3倍で12、5倍で20となるから、E4=1+23E8+16E12=1+23+16=116 である。

持ち点が3のときは、2倍で6、3倍で9、5倍で15となるから、E3=1+23E6+16E9=1+2353+16=4118である。

持ち点が2のときは、2倍で4、3倍で6、5倍で10となるから、E2=1+23E4+16E6+16E10 である。これに上で求めた値を代入して E2=1+23116+1653+16=83 を得る。

最後に、初めの持ち点は1である。1からは、2倍で2、3倍で3、5倍で5となるので、E1=1+23E2+16E3+16E5 である。したがってE1=1+2383+164118+1653であり、通分すると E1=108+192+41+30108=371108 となる。

よって、終了するまでに試行した回数の期待値は 371108 である。

総評

難度7、計算量6。想定時間は13分程度で、(2)は本年度の差がつく問題の一つである。時間が厳しい場合でも(1)は必ず確保し、(2)は到達可能な状態を整理できた段階で取り組みたい。(1)は文系第4問と同じ発想で、2の指数だけに注目すればよい。(2)は期待値の状態分類が主題であり、15未満で到達しうる持ち点を漏れなく列挙できるかが最初の山である。大きい状態から順に計算すれば循環しないので、連立方程式を大きく立てる必要はない。誤りやすい点は、次の持ち点が15以上になった場合にもその1回の試行は数えること、ただしその後の期待回数は0とすることである。

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出典: 北海道大学 2026年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。