方針
z=r(cosθ+isinθ) とおき,二つの距離を A,B とする。A−B=1 と A2−B2=4rsinθ から A+B=4rsinθ を得て,r2 を θ で表す。w=1/z では偏角が反対向きになり,絶対値は逆数になることを使う。
解答
(問1)z=r(cosθ1+isinθ1) とおく。またA=∣z+i∣,B=∣z−i∣とおくと,条件は A−B=1 である。一方A2=r2+1+2rsinθ1,B2=r2+1−2rsinθ1であるからA2−B2=4rsinθ1である。A2−B2=(A−B)(A+B) よりA+B=4rsinθ1である。したがって sinθ1>0 である。
さらにB=2(A+B)−(A−B)=24rsinθ1−1であり,これをB2=r2+1−2rsinθ1に代入するとr2=4(4sin2θ1−1)3を得る。よって 4sin2θ1−1>0 であり,sinθ1>0 と合わせてsinθ1>21である。したがって6π<θ1<65πである。
(問2)
w=z1 であるからr2=r1,θ2=2π−θ1である。ただし偏角は 0≦θ2<2π でとる。問1より6π<θ1<65πであるから67π<θ2<611πである。またr22=r21=34(4sin2θ2−1)である。したがって r2 のとりうる値の範囲は0<r2≦2であり,r2=2 は θ2=23π のときに成り立つ。
別解
解法2
方針
z=x+iy とおいて軌跡を直交座標の双曲線として求める。上側の枝と漸近線から偏角範囲を読み、原点からの最短距離で逆数の絶対値範囲を決める。
解答
(問1)z=x+iyとおく。条件はx2+(y+1)2−x2+(y−1)2=1.右の平方根を移項して二乗すると4y−1=2x2+(y−1)2.右辺は非負なので 4y−1≧0 である。さらに二乗して整理すると−4x2+12y2=3,すなわち1/4y2−3/4x2=1.元の符号条件を満たすのは上側の枝y≧21である。漸近線はy=3x,y=−3x.したがって原点から上側の枝へ向かう半直線の偏角は6π<θ1<65π.(問2)w=z1よりr2=∣z∣1,θ2=2π−θ1.したがって67π<θ2<611π.双曲線 H 上で原点に最も近い点は頂点 (0,1/2) なので∣z∣≧21.また漸近線方向へ進むと ∣z∣→∞ である。よって0<r2≦2.上端 2 は z=i/2 のときにとり、下端 0 はとらない。
総評
難度6、計算量6。想定時間は18分程度。極形式による解法と直交座標で双曲線を求める解法の2通りで偏角範囲を照合した。二度の平方では 4y−1≧0 を保持し、下側の枝を混入させない。逆数では偏角の向き、r2=0 を含まないこと、r2=2 を含むことを明記する。
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出典: 熊本大学 2018年度 前期 医学科数学 第3問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。