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熊本大学 2021年度 前期数学③ 第2問

複素数wは実部,虚部ともに正であるとする.相異なる複素数αβγ
{(w+2)α}2+(wβ)2(2γ)2=4(w+2)α2+2w2αβ8αγ
を満たすとする.αβγを表す複素数平面上の点をそれぞれABCとする.
(問1) γαβαの偏角θ0θ<2πのとりうる範囲を求めよ.
(問2) ABCが正三角形であるときのwの値を求めよ.
(問3) ABCが正三角形であるとする.w=αかつABCの重心が点w22であるとき,βγの値を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安22

複素数平面 式変形、複素数の極形式、回転・拡大

方針

u=(γα)/(βα) として u=±w/2 を得る。偏角は w が第1象限にあることから二つの区間になり,正三角形と重心条件は同じ連立で処理する。

解答

(問1)
d=βαu=γαβα とおくと,代入整理によりw2d24u2d2=0である。d0 より u=±w/2w は第1象限にあるので,u の偏角 θ0<θ<π2,π<θ<3π2.(問2)
正三角形なら u=1+3i2 または 13i2u=±w/2w の象限条件からw=1+3i.(問3)
α=wd=βw とする。正三角形条件から γ=w+w2d,重心条件からw+(w+d)+(w+w2d)3=w22.よって d=3w(w2)w+2=3+3i。したがってβ=2+23i,γ=2.

別解

解法2(偏角の合同式と重心回転)

方針

与式を差の平方へ直接まとめ、偏角を π を法とする合同式で扱う。(問3)は正三角形の重心が外心でもあることを用い、A から残る2頂点を120度回転で復元する。

解答

(問1)
与式を一方へ移して整理するとw2(βα)2=4(γα)2となる。したがってu=γαβαと置けばu=±w2である。w は第1象限にあるので 0<argw<π/2 でありarguargw(modπ)である。よって 0θ<2π における範囲は0<θ<π2,π<θ<3π2である。

(問2)
正三角形なら、辺 AB から辺 AC への回転比はu=eiπ/3またはu=eiπ/3である。w=±2u の4候補のうち第1象限にあるものはw=1+3iだけである。

(問3)
重心を G とするとG=w22=1+3i,A=w=1+3iでありGA=2である。正三角形では重心と外心が一致するため、残る2頂点へのベクトルは 2±120 度回転したものになる。したがってG+2e2πi/3=2+23i,G+2e4πi/3=2を得る。(問1)の向き u=w/2=eiπ/3 に合うように頂点を対応させるとβ=2+23i,γ=2である。

総評

難度6,計算量6。想定時間は22分程度。偏角は u=w/2u=w/2 の2枝をもつため、答えも π だけ離れた2つの開区間になる。正三角形の向きは象限条件だけでなく、(問1)で選ばれた差の比まで戻して確認する。重心回転を使えば(問3)は幾何的に短く解ける。

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出典: 熊本大学 2021年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。