方針
f(x)=∣x∣x+3 として,[−3,0] と [0,∞) で式を分けて極大値を調べる。F については端点微分で F′(x)=f(x+3)−f(x) とし,増減から最小点と最大候補の端点を決める。端点値と最小値を置換積分で計算する。
解答
(問1)f(x)=x2(x+3)=∣x∣x+3である。−3<x<0 ではf(x)=−xx+3であるからf′(x)=−x+3−2x+3x=−2x+33(x+2)である。よって −3<x<−2 で増加し,−2<x<0 で減少する。したがって極大値はf(−2)=2である。なお x>0 では f(x)=xx+3 は増加するので,ほかに極大値はない。
(問2)
−3<x<0 でF′(x)=f(x+3)−f(x)である。ここでf(x)=(−x)x+3,f(x+3)=(x+3)x+6だから,F′(x)=0 は(x+3)x+6=(−x)x+3と同値であり,これを解くとx=−2である。またf(x+3)2−f(x)2=9(x+3)(x+2)より,F(x) は −3<x<−2 で減少し,−2<x<0 で増加する。したがって最小値は F(−2),最大値は F(−3) と F(0) の大きい方である。
まずF(−2)=∫−21∣t∣t+3dt=524(3−1)である。またF(−3)=∫−30(−t)t+3dt=5123であり,F(0)=∫03tt+3dt=512(6+3)である。よって最大値と最小値はそれぞれ512(6+3),524(3−1)である。
別解
解法2
方針
非負関数 f の代わりに g=f2=x2(x+3) の増減を調べて極大値を得る。F′ は端点値の平方差で符号判定し、端点と最小点の積分値を比較する。
解答
(問1)g(x)=f(x)2=x2(x+3)とおく。f(x)≧0 なので、f と g の増減は同じである。g′(x)=3x(x+2).したがって −3<x<−2 で g は増加し、−2<x<0 で減少する。x>0 では増加するので、極大点は x=−2 だけである。よって極大値はf(−2)=2.(問2)F′(x)=f(x+3)−f(x).二項は非負なので、その符号は平方差f(x+3)2−f(x)2=(x+3)2(x+6)−x2(x+3)=9(x+3)(x+2)の符号と一致する。よって F は[−3,−2]で減少し、[−2,0]で増加する。最小値はF(−2)=524(3−1).最大値は両端を比較すればよい。置換 u=t+3 によりF(−3)=∫−30(−t)t+3dt=5123,F(0)=∫03tt+3dt=512(6+3).したがって最大値は512(6+3),最小値は524(3−1).
総評
難度6、計算量6。想定時間は18分程度。平方根を直接微分する解法に加え、別解では非負性を利用して f2 と端点値の平方差で増減を判定した。最大値は臨界点ではなく両端比較で決まる。積分はすべて独立表示し、絶対値で区間を分ける。
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出典: 熊本大学 2018年度 前期 医学科数学 第4問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。