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熊本大学 2017年度 前期 理工系理系数学 第2問

s>0t>0とする.原点をOとする複素数平面において,α=2iβ=s+tiを表す点をそれぞれABとする.さらに,点Cを直線OBに関して点Aと反対側にとり,OBCが正三角形になるようにする.点Cを表す複素数をzとするとき,以下の問いに答えよ.

(問1)
zstを用いて表せ.

(問2)
αβが等式4α2+β22αβ=0を満たすとき,βzをそれぞれ求めよ.

(問3)
(問2)で求めたβzに対して,直線ACと直線OBの交点をDとし,CDB=θとする.このとき,cosθの値を求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安25

複素数平面図形と方程式ベクトル 複素数の極形式、回転・拡大、実部虚部比較、座標設定

方針

正三角形は複素数の60回転として表す。点Aが直線OBのどちら側にあるかを確認して回転の向きを決める。(問2)はβについての二次方程式を解き,s,t>0に合う根を選ぶ。(問3)は得られた点を座標化し,直線の交点Dを媒介変数で求めて内積からcosθを計算する。

解答

(問1)
OBC は正三角形で,点Cは直線 OB に関して点Aと反対側にある。β=s+ti60 の回転を施す向きを選べばよい。βα=(sti)(2i) の虚部は s2t<0 であるから,点Aは直線 OB の負の側にある。したがって点Cは正の側にあり,z=β(12+32i)である。よってz=s3t2+3s+t2iである。

(問2)
与えられた等式を β について見るとβ22αβ+4α2=0である。したがってβ=α(1±3i)である。α=2i よりα(1+3i)=(2+3)+(231)iであり,これは実部・虚部ともに正である。一方,α(13i) の虚部は負である。よってβ=(2+3)+(231)iである。

(問1)よりz=β(12+32i)=(32)+(23+1)iである。

(問3)
座標でA(2,1),B(2+3,231),C(32,23+1)と表す。直線 OB 上の点を λB とおく。直線 AC の方向ベクトルはAC=(34,23+2)である。D が両直線の交点であることからD=13Bが得られる。実際,DA=13BAAC と平行である。

したがってDB=23(2+3,231),DC=23(34,23+2)である。よってDBDC=495,DB2=4920,DC2=4935であるからcosθ=52035=714である。

別解

解法2

方針

正三角形を回転因子で表し,方程式は比β/αについて解く。(問3)では交点を求めず,直線OBACの方向ベクトルだけで角を計算する。

解答

(問1)ω=12+32iとおく。点Aは直線OBの負の側にあるので,反対側の頂点はz=ωβである。したがってz=s3t2+3s+t2iである。

(問2)
α0なので,u=β/αとおくとu22u+4=0であり,u=1±3iとなる。s,t>0を満たす方は正符号だからβ=(2i)(1+3i)=(2+3)+(231)iである。またz=ωβ=(32)+(23+1)iである。

(問3)
CDBは直線ACと直線OBのなす鋭角であるから,交点D自体を求める必要はない。方向ベクトルとしてOB=(2+3,231),AC=(34,23+2)をとる。内積は5,長さの二乗はそれぞれ20,35だからcosθ=52035=714である。

総評

難度7,計算量7。想定時間は25分程度。正三角形を複素数の回転で表す向きの判定と,二次方程式の根から s,t>0 を満たす方を選ぶことが鍵である。(問3)は座標計算が長くなりやすいため,交点が D=B/3 になることを確認してから内積に進むと整理しやすい。位置づけは差がつく難問であり,前半を確保したうえで時間次第では後半を見送り候補にする。

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出典: 熊本大学 2017年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。