方針
赤球が k 個となる取り出し方を,赤球と白球からそれぞれ選ぶ方法で数える。問2では問1の確率に勝つ確率 (k/n)2 を掛け,組合せの基本恒等式で指定形へ変形する。問3は k について和を取り,二つの n−1 個の集合から n−1 個を選ぶ数え上げで和を処理する。
解答
(問1)
取り出す n 個の球のうち赤球が k 個であるには,赤球 n 個から k 個,白球 n 個から n−k 個を選べばよい。したがってその取り出し方はnCknCn−k=(nCk)2通りである。全体の取り出し方は 2nCn 通りであるから,求める確率は2nCn(nCk)2である。
(問2)
赤球が k 個であるとき,手元の球全体に対する赤球の比率は nk であるから,ゲームに勝つ確率は (nk)2 である。よって求める確率は2nCn(nCk)2(nk)2である。ここでnCk=knn−1Ck−1,2nCn=n2(2n−1)2n−2Cn−1であるから,上の確率は2(2n−1)n⋅2n−2Cn−1(n−1Ck−1)2である。
(問3)
ゲームに勝つ確率は,(問2)を k=1,2,…,n について加えればよい。ここでk=1∑n(n−1Ck−1)2=2n−2Cn−1である。実際,左辺は二つの n−1 個の集合から合計 n−1 個を選ぶとき,一方から k−1 個,他方から n−k 個を選ぶ場合に分けて数えたものである。したがってk=1∑n2(2n−1)n⋅2n−2Cn−1(n−1Ck−1)2=2(2n−1)nである。
別解
解法2
方針
問1・問2は組合せを『指定した赤球を含む選び方』へ変形する。問3では勝率 p2 を、手元の球から復元抽出で2回とも赤球を引く確率と読み替え、同じ球を2回指定する場合と異なる2球を指定する場合を直接数える。
解答
(問1)
赤球から k 個、白球から n−k 個を選ぶのでPr(K=k)=2nCnnCknCn−k=2nCn(nCk)2.(問2)
K=k のとき勝率は (k/n)2 だからPr(K=k,勝)=2nCn(nCk)2n2k2.ここで knCk=nn−1Ck−1 を両方の組合せに使い、さらに2nCn=n2(2n−1)2n−2Cn−1を使えば、Pr(K=k,勝)=2(2n−1)n⋅2n−2Cn−1(n−1Ck−1)2.(問3)
手元の n 球から復元抽出で2回球を指定し、2回とも赤球なら勝ち、と考える。この条件付き確率は確かに p2 である。指定する位置の順序対は全部で n2 通りある。
同じ位置を2回指定する順序対は n 通りで、その球が赤である確率は 1/2 である。異なる位置を指定する順序対は n(n−1) 通りで、その2球がともに赤である確率は2nn⋅2n−1n−1=2(2n−1)n−1.したがって勝つ確率はn21{n⋅21+n(n−1)⋅2(2n−1)n−1}=2n1(1+2n−1(n−1)2)=2(2n−1)n.
総評
難度5,計算量5。想定時間は15分程度。問2では k2/n2 と組合せの係数が消える過程を省略しない。問3はVandermonde型の和に加え、勝率 p2 を2回の復元抽出と読む別解も示した。同じ位置と異なる位置を分ければ、和を計算せず結論を得られる。
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出典: 熊本大学 2019年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。