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熊本大学 2021年度 前期数学③ 第1問

空間の点Oを通らない平面αをとる.α上の3ABCは三角形をなすとし.OA=aOB=bOC=cとおく.k1より大きい定数とする.直線lは媒介変数tを用いて
k3(b+2c)+tk3(2abc)
と表されるとする.l上を点Xが動くとき,2OXを通る直線と平面αの交点Yの軌跡をmとする.
(問1) ABCの各辺とmとの交点の個数をそれぞれ求めよ.また,交点がある場合,各交点Zについて,OZabcを用いてそれぞれ表せ.
(問2) ABの中点をDとする.lを含みαに平行な平面をβとし,ODを通る直線と平面βの交点をEとする.点Om上の点Yを通る直線は2ECを通る直線と交点をもつとし,その交点をFとする.このとき,OFabcおよびkを用いて表せ.

難易度6/ 10計算量7/ 10目安25

ベクトル ベクトル成分計算文字消去図形的解釈

方針

l 上の点は係数和が k なので,直線 OXα の交点はその 1/k 倍である。平行平面 β は係数和 k の点からなることを使う。

解答

(問1)
X の位置ベクトルは2kt3a+k(1t)3b+k(2t)3cで係数和は k。したがって Y はその 1/k 倍でOY=2t3a+1t3b+2t3c.よって BC との交点は t=013b+23cCA との交点は t=123a+13cAB では t=2 だが b の係数が負なので交点はない。

(問2)OD=12(a+b)。平面 β は係数和 k の平面なのでOE=k2(a+b).Y を問1の式で表し,FOY かつ FEC として係数比較するとλ2t3=k2(1μ),λ1t3=k2(1μ),λ2t3=μ.よって t=13λ=9k5k+4。したがってOF=2k5k+4a+2k5k+4b+5k5k+4c.

別解

解法2(中心相似と係数比)

方針

O を中心とする倍率 1/k の相似で、平面 β 上の直線 l を平面 α 上の軌跡 m へ移す。(問2)は EC 上の係数比と OY の方向比を比較する。

解答

(問1)
直線 l 上の点 X の位置ベクトルはOX=k(2t3a+1t3b+2t3c)である。括弧内の3係数の和は1なので、直線 OX と平面 α の交点 YOY=1kOX=2t3a+1t3b+2t3cである。すなわち ml を点 O 中心、倍率 1/k で縮小した直線である。

BC では a の係数が0なので t=0 となりOZ=13b+23cである。辺 CA では b の係数が0なので t=1 となりOZ=23a+13cである。辺 AB の直線とは t=2 で交わるが、b の係数が 1/3 なので辺上にはない。したがって交点数は BCCA が各1個、AB が0個である。

(問2)
平面 βα を点 O 中心、倍率 k で移した平面である。したがって、直線 ODβ の交点は D の像でありOE=kOD=k2(a+b)である。直線 EC 上では ab の係数が等しいから、直線 OY の方向について2t=1t,t=13を得る。このとき方向の係数比はa:b:c=2:2:5である。直線 EC 上の点を(1s)k2(a+b)+scと書く。ca の係数比を比較するとsk(1s)/2=52であり4s=5k(1s),s=5k5k+4となる。よってOF=2k5k+4a+2k5k+4b+5k5k+4cである。

総評

難度6,計算量7。想定時間は25分程度。係数和1の平面 α と係数和 k の平行平面 β を区別することが最重要である。中心 O の相似として見れば XYDE の倍率が同時に整理でき、最後は係数比 2:2:5 に帰着する。

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出典: 熊本大学 2021年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。