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熊本大学 2023年度 前期数学② 第3問

α,βを複素数とし,複素数平面上の3O(0),A(α),B(β)が三角形をなすとする.点Aを点Oを中心としてπ3だけ回転した点をP,Oを点Bを中心としてπ3だけ回転した点をQ,Bを点Aを中心としてπ3だけ回転した点をRとする.POA,QBO,RABの重心をそれぞれG,H,Iとする.以下の問いに答えよ.
(問1) 3P,Q,Rを表す複素数のそれぞれをα,βを用いて表せ.
(問2) 3G,H,Iを表す複素数のそれぞれをα,βを用いて表せ.
(問3) 3G,H,Iが三角形をなすとき,GHIが正三角形かどうか判定せよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安15

複素数平面図形と方程式 複素数の極形式、回転・拡大、実部虚部比較、計算整理

方針

ω=cosπ3+isinπ3 とおき,原点中心の回転は ω 倍,点 c 中心の回転は c+ω(zc) と表す。各重心を複素数で表した後,差 ighg を比較し,60 回転の関係を示す。

解答

(問1)ω=cosπ3+isinπ3=12+32iとおく。このとき ω2=ω1 である。点 A を原点中心に回転した点はP: ωαである。点 O を点 B 中心に回転した点はQ: β+ω(0β)=(1ω)βである。点 B を点 A 中心に回転した点はR: α+ω(βα)=(1ω)α+ωβである。

(問2)
重心を表す複素数をそれぞれ g,h,i とすると,g=ωα+0+α3=1+ω3α,h=(1ω)β+β+03=2ω3β,i=(1ω)α+ωβ+α+β3=(2ω)α+(1+ω)β3.(問3)
上の表示からhg=(1+ω)α+(2ω)β3である。したがってω(hg)=ω(1+ω)α+ω(2ω)β3=(12ω)α+(1+ω)β3=ig.よって,点 I は点 H を点 G のまわりに π3 だけ回転した点である。G,H,I が三角形をなすとき HG であるから,GH=GI かつ HGI=π3 である。したがって GHI は正三角形である。

別解

解法2(回転作用素を用いるベクトル解法)

方針

60 回転を表す線形写像 T を用い、T2T+E=0 を利用する。各点と重心を位置ベクトルで表し、GI=T(GH) を直接示す。

解答

60 の反時計回り回転を T、恒等写像を E とする。このときT2T+E=0である。

(問1)
点をその位置ベクトルでも表すことにするとP=Tα,Q=(ET)β,R=(ET)α+Tβである。複素数表示では Tz=ωzω=12+32i だからP=ωα,Q=(1ω)β,R=(1ω)α+ωβとなる。

(問2)
重心の公式からG=E+T3α,H=2ET3β,I=2ET3α+E+T3βである。

(問3)
上式と T2=TE を用いるとT(HG)=T(E+T)α+T(2ET)β3=(E2T)α+(E+T)β3=IG.したがって GIGH60 回転したベクトルである。3点が三角形をなすとき両ベクトルは零でないのでGI=GH,HGI=60.よって GHI は正三角形である。

総評

難度5,計算量5。想定時間は15分程度。中心をもつ回転を複素数で正しく表せれば,重心計算は機械的に進む。最後は辺の長さを別々に計算するより,ig=ω(hg) を示すのが簡潔で,G,H,I が三角形をなす条件の確認も必要である。位置づけは差がつく標準問題であり,方針を早く固めて計算ミスなく完答したい。

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出典: 熊本大学 2023年度 前期 数学②(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。