方針
(問1)は微分して臨界点を調べる。(問2)では被積分関数が f′(x)logx であることを見抜き,部分積分を行う。(問3)は得られた式から共通項を消し,u=t とおいて logt>t−1 を微分で示す。
解答
(問1)f′(x)=4tx(1−tx2)e−tx2である。したがって臨界点は x=0, ±t1 である。e−tx2>0 より符号を調べると,x=0 で極小値 0,x=±t1 で極大値2t⋅t1e−1=e2をとる。
(問2)
F(x)=2tx2e−tx2 とおくとF′(x)=4tx(1−tx2)e−tx2である。部分積分により∫1t4tx(1−tx2)e−tx2logxdx=[2tx2e−tx2logx]1t−∫1t2txe−tx2dx=t2logte−t2−[−e−tx2]1t=(t2logt+1)e−t2−e−t.したがってg(t)=(t2logt+1)e−t2−e−tである。
(問3)
示すべき不等式はt2logt+1>t25−t2+1と同値である。u=t とおくと 1<u<2 であり,ϕ(u)=2logu−u+1とおけばϕ′(u)=u2−1>0(1<u<2)である。また ϕ(1)=0 であるから,1<u<2 で ϕ(u)>0 である。すなわちlogt=2logu>u−1=t−1である。両辺に正の t2 を掛けるとt2logt>t25−t2となる。よってg(t)>(t25−t2+1)e−t2−e−tが成り立つ。
別解
解法2(置換積分と一変数不等式)
方針
u=tx2 で指数関数の中身を新変数にし、(ue−u)′=(1−u)e−u を使って積分する。不等式は H(t)=logt−t+1 の単調性を区間 (1,4) で直接調べる。
解答
(問1)
u=tx2≧0 とおけば f(x)=2ue−u である。dud(2ue−u)=2(1−u)e−uより、u=0 で極小値 0、u=1、すなわちx=±1/t で極大値 2/e をとる。
(問2)
u=tx2 とおくと、積分区間は t≦u≦t2 となりlogx=21(logu−logt),du=2txdxである。したがって求める積分は∫tt2(1−u)e−u(logu−logt)duとなる。(ue−u)′=(1−u)e−u を用いて部分積分するとg(t)=[ue−u(logu−logt)]tt2−∫tt2e−udu=(t2logt+1)e−t2−e−t.(問3)H(t)=logt−t+1 とおくとH′(t)=t1−2t1=2t2−t>0(1<t<4).H(1)=0 だから logt>t−1 である。これに正の t2e−t2 を掛けて整理すればg(t)>(t5/2−t2+1)e−t2−e−tを得る。
総評
難度6,計算量6。想定時間は18分程度。微分計算自体は標準的だが,(問2)の部分積分で境界値を正確に出し,(問3)で対数不等式へ落とす流れが見えないと重い。抽出本文の積分上端は後続不等式と整合するよう t として扱っている。位置づけは差がつく標準問題であり,方針を早く固めて計算ミスなく完答したい。
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出典: 熊本大学 2023年度 前期 数学②(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。