方針
点 P を (x,y,z) とおき,距離条件を二乗して球面の方程式に直す。k=2 では平方完成により中心と半径を求める。一般の k では同じ計算から球の中心距離と半径を表し,原点から球面までの最短距離を k の式にして解く。
解答
(問1)
点 P を (x,y,z) とおく。k=2 のときx2+y2+z2=4{(x−4)2+(y+4)2+(z−2)2}である。整理して平方完成すると(x−316)2+(y+316)2+(z−38)2=16となる。したがって,点 P が描く図形はこの球面である。
(問2)
(問1)の球面の中心を Q とするとQ(316,−316,38),半径 4である。またOQ=(316)2+(−316)2+(38)2=8である。原点から球面上の点までの距離の最小値は OQ−4 であるから4である。
(問3)
∣OA∣=6 である。一般の k について距離条件を二乗すると(k2−1)(x2+y2+z2)−2k2(4x−4y+2z)+36k2=0である。これは中心が直線 OA 上にあり,中心の原点からの距離が∣k2−1∣6k2半径が∣k2−1∣6kである球面を表す。したがって原点から球面までの距離の最小値は,k>1 のときも 0<k<1 のときもk+16kである。これが 1 に等しいからk+16k=1となり,k=51 を得る。
別解
解法2(アポロニウス球の軸上断面)
方針
条件は2定点からの距離比が一定であるアポロニウス球を表す。球の中心は直線 OA 上にある。特に原点から最も近い点も直線 OA 上にあるので,(問2)(問3)は1次元の距離比だけで求められる。
解答
(問1)
k=2 のときの球の中心を Q,半径を R とする。直線 OA 上で OQ=8,R=4 となるアポロニウス球である。OA=(4,−4,2) かつ ∣OA∣=6 だからOQ=68OA=(316,−316,38).したがって球面の方程式は(x−316)2+(y+316)2+(z−38)2=16である。
(問2)
上図の X が原点に最も近い球面上の点であり,OX=OQ−R=8−4=4である。
(問3)
一般の k>0 でも,原点に最も近い球面上の点 X は線分 OA 上にある。OX=r とすると AX=6−r であるからr=k(6−r),r=1+k6k.これが1なので1+k6k=1,k=51である。
総評
難度4,計算量4,想定時間12分。公式の出題意図は,距離比の式を空間図形へ翻訳し,球の中心・半径から最短距離を読むこと。平方完成による代数解法とアポロニウス球の軸上断面による幾何解法を併記した。一般の k では中心距離と半径に絶対値が現れるが,最短距離は両範囲とも 6k/(1+k) になる。公式略解の球面,最小値4,k=1/5 と照合済み。
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出典: 熊本大学 令和8年度一般選抜(前期日程)数学1(公式問題・略解・出題意図)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。