Evolton

京都大学 1981年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

6人が円陣を作ってすわり,次のゲームをする;

(i) 最初,交互に赤と白の帽子をかぶり,隣り合う2人ずつの3つの組を作る.
各組でジャンケンをし,負けた人は勝った人と同色の帽子をかぶる.

(ii) 6人が同色の帽子にならない場合,隣り合う異なる色の帽子をかぶった2人ずつが組を作り,
各組でジャンケンをし,負けた人は勝った人と同色の帽子をかぶる.
(両隣りが自分と同色の帽子の人はジャンケンをしない.)

(iii) ゲームは,6人の帽子が同色になれば終了とし,それまで何回か(ii)を繰り返す.

このとき,n回までにゲームが終了する確率を求めよ.
ただし,ジャンケンでは一方が勝つ確率は1/2で勝負がつくものとする.

難易度7/ 10計算量5/ 10目安22

確率 状態分類確率漸化式、場合分け

方針

6人を個人ごとに追うのではなく、同色が連続するブロックで状態を圧縮する。初回後は3つの2人組の色だけを見ればよく、終了しなければ必ず 2 人連続と 4 人連続の状態になる。この状態から次の回で終了する確率が常に 1/4 で、終了しなければ同じ型に戻ることを示す。

解答

最初の回では、あらかじめ作った3つの隣接ペアがそれぞれジャンケンをする。各ペアは、勝った人の色にそろうので、回の後には各ペアが赤または白の同色2人組になる。各ペアが赤になる確率、白になる確率はいずれも 1/2 であり、3組について独立に考えられる。

3組がすべて赤、またはすべて白になれば、6人全員が同色となって終了する。その確率は 2(12)3=14 である。
逆に1回で終了しないとき、3つの2人組の色は全て同じではない。2色しかないので、ある色の2人組が1つ、もう一方の色の2人組が2つである。円周上では後者の2組がつながって見えるため、帽子の並びは 2人連続の色のブロックと、4人連続の色のブロック という型になる。

この型の状態を考える。異なる色が隣り合う境目は2か所だけなので、次の回に行われるジャンケンはその2か所である。2人連続の色の側にいる2人が、どちらの境目でも負けると、その2人が相手の色に変わり、6人全員が同色になって終了する。この確率は (12)2=14 である。
それ以外の場合は、2人連続の色が残るか、または反対の色が2人連続として残るだけで、やはり 2人連続と4人連続 の型に戻る。したがって、まだ終了していない状態から次の1回で終了しない確率は常に 34 である。

初回についても、終了しない確率は 3/4 である。よって n 回までに終了しない確率は (34)n である。したがって、求める確率は 1(34)n(n=1,2,3,) である。
\newpage

別解

解法2(未終了確率の漸化式を立てる)

方針

qnn 回終了時にまだゲームが続いている確率とする。
未終了時の帽子配置が常に2人・4人の2ブロック型であることから、qn+1=3qn/4 を示す。

解答

初回後、3つのペアはそれぞれ独立に赤または白へそろう。全3組が同色になる確率は2(12)3=14.したがって q1=3/4 である。

初回で終わらなければ、円周上の配置は一方の色が2人連続、他方が4人連続の2ブロック型になる。
この型では色の境界が2か所あり、2人ブロック側の2人がともに負けたときだけ次の回で終了する。その確率は(12)2=14.それ以外は色が入れ替わる場合を含め、再び同じ2ブロック型になる。よってqn+1=34qn.初期値と合わせて qn=(3/4)n だから、n 回までに終了する確率は1qn=1(34)n.

総評

個人の並びを全列挙せず、同色連続ブロックの型に圧縮する確率問題。目安時間は22分。初回後の3つの2人組を見て、未終了なら必ず 2 人ブロックと 4 人ブロックになることを言葉で補うと答案の説得力が増す。その後は毎回同じ型に戻るため、実質的には未終了確率が 3/4 倍される反復である。
\newpage

冊子PDFで見る京大の確率の問題で問題集を作る

出典: 京都大学 1981年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。