方針
(1) (2) は、周期候補を三角関数の対称性から見つけたうえで、任意の正の周期 を の代入で絞り、最小性を確認する。(3) は周期関数であれば導関数も同じ周期をもち、連続な周期関数は有界であることを用いる。ところが は適切な点列でいくらでも大きくなるので矛盾する。
解答
(1) であるから であり、 は周期である。
正の数 が周期であるとする。 を代入すると である。ここで であり、この範囲で となるのは だけである。したがって となり、 と表せる。
もし が奇数なら、 であるが、 なので周期ではない。よって最小周期は である。
(2) であり、 は偶関数であるから である。したがって は周期である。
正の数 が周期であるとする。 を代入すると である。 の範囲で となるのは だけなので、 である。したがって と表される。すでに が周期であることを示しているので、正の最小周期は である。
(3) が周期関数であると仮定し、その正の周期を とする。すべての について が成り立つので、両辺を微分して を得る。つまり も周期 をもつ。
また である。周期 をもつ連続関数は、区間 での最大値と最小値の間の値しか取らないので、全体で有界である。
ところが とおくと、 であるから となり、これは を大きくするといくらでも大きくなる。これは が有界であることに反する。
したがって である。
外側の偶奇性と、内側の位相の増え方が周期を決める
別解
解法2
方針
(1) は外側の正弦の一対一性、(2)は
が だけで決まることから、内側の正弦へ戻す。
(3)は周期なら導関数も周期で有界になることと、導関数が
特定の点列で無限に大きくなることを比較する。
解答
(1)
は で一対一なので、周期 があればが全ての で成り立つ。よって
であり、最小周期は(2)だから は周期である。逆に周期 なら
から 、したがって 。
よって最小周期は(3)
もし が周期関数なら、その導関数も連続な周期関数なので有界である。しかしとおけば導関数の値は矛盾するので は周期関数ではない。
総評
前半は最小周期の確認、後半は非周期性の証明で性格が変わる問題である。目安時間は18分。(3) は見た目だけで判断せず、周期なら導関数も周期になり有界である、という必要条件を使うと明確に否定できる。 2つの解法を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号・最終値を確認した。