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京都大学 1984年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

定数c (c0)に対して,
等式f(x+c)=f(x)がすべてのxについて成り立つとき,
関数f(x)は周期関数であるといい,
またこの等式を満たすような正の数cのうちの最小値をf(x)の周期という.

次の関数は周期関数であるか否かを,理由をつけて答えよ.
また,周期関数である場合には,その周期を求めよ.

(1) f(x)=sin(sinx)

(2) f(x)=cos(sinx)

(3) f(x)=sin(x3)

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

三角関数関数 必要十分条件、反例構成、範囲評価

方針

(1) (2) は、周期候補を三角関数の対称性から見つけたうえで、任意の正の周期 cx=0 の代入で絞り、最小性を確認する。(3) は周期関数であれば導関数も同じ周期をもち、連続な周期関数は有界であることを用いる。ところが 3x2cos(x3) は適切な点列でいくらでも大きくなるので矛盾する。

解答

(1) sin(x+2π)=sinx であるから sin(sin(x+2π))=sin(sinx) であり、2π は周期である。

正の数 c が周期であるとする。x=0 を代入すると sin(sinc)=0 である。ここで 1sinc1 であり、この範囲で sinu=0 となるのは u=0 だけである。したがって sinc=0 となり、c=mπ と表せる。

もし m が奇数なら、sin(sin(π2+mπ))=sin(1) であるが、sin(1)sin1=sin(sinπ2) なので周期ではない。よって最小周期は 2π である。

(2) sin(x+π)=sinx であり、cosu は偶関数であるから cos(sin(x+π))=cos(sinx)=cos(sinx) である。したがって π は周期である。

正の数 c が周期であるとする。x=0 を代入すると cos(sinc)=1 である。 1sinc1 の範囲で cosu=1 となるのは u=0 だけなので、sinc=0 である。したがって c=mπ と表される。すでに π が周期であることを示しているので、正の最小周期は π である。

(3) f(x)=sin(x3) が周期関数であると仮定し、その正の周期を c とする。すべての x について f(x+c)=f(x) が成り立つので、両辺を微分して f(x+c)=f(x) を得る。つまり f も周期 c をもつ。

また f(x)=3x2cos(x3) である。周期 c をもつ連続関数は、区間 [0,c] での最大値と最小値の間の値しか取らないので、全体で有界である。

ところが xn=(2nπ)1/3(n=1,2,3,) とおくと、cos(xn3)=cos(2nπ)=1 であるから f(xn)=3xn2=3(2nπ)2/3 となり、これは n を大きくするといくらでも大きくなる。これは f が有界であることに反する。

したがって sin(x3) は周期関数ではない である。

外側の偶奇性と、内側の位相の増え方が周期を決める

別解

解法2

方針

(1) は外側の正弦の一対一性、(2)は
cosuu だけで決まることから、内側の正弦へ戻す。
(3)は周期なら導関数も周期で有界になることと、導関数が
特定の点列で無限に大きくなることを比較する。

解答

(1)
sinu[1,1] で一対一なので、周期 c>0 があればsin(x+c)=sinxが全ての x で成り立つ。よって
sin(c/2)=0 であり、最小周期は2π.(2)cos(sin(x+π))=cos(sinx)=cos(sinx)だから π は周期である。逆に周期 c>0 なら
x=0 から cos(sinc)=1、したがって sinc=0
よって最小周期はπ.(3)
もし sin(x3) が周期関数なら、その導関数3x2cos(x3)も連続な周期関数なので有界である。しかしxn=(2nπ)1/3とおけば導関数の値は3(2nπ)2/3.矛盾するので sin(x3) は周期関数ではない。

総評

前半は最小周期の確認、後半は非周期性の証明で性格が変わる問題である。目安時間は18分。(3) は見た目だけで判断せず、周期なら導関数も周期になり有界である、という必要条件を使うと明確に否定できる。 2つの解法を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号・最終値を確認した。

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出典: 京都大学 1984年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。