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京都大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

不等式acos2θ+bcosθ<1がすべての実数θについて成り立つような点(a,b)の範囲を図示せよ.

難易度8/ 10計算量8/ 10目安28

三角関数方程式・不等式 置換グラフの概形、範囲評価

方針

t=cosθ と置くと、t[1,1] 全体を動き、条件は2次関数 F(t)=2at2+bta が区間 [1,1] で常に 1 未満となることに変わる。端点から a+b<1 が必要である。a0 では最大は端点で決まる。a<0 では上に凸なので頂点が区間内にあるときだけ頂点条件を追加し、最終的に 1<a<13 の放物線内と、13a<1 の直線に挟まれた領域に整理する。

解答

t=cosθ とおく。θ がすべての実数を動くとき、t は区間 [1,1] 全体を動く。また cos2θ=2cos2θ1=2t21 だから、与えられた不等式は a(2t21)+bt<1 すなわち F(t)=2at2+bta<1 がすべての 1t1 で成り立つことと同値である。

まず端点条件を調べる。t=1 から a+b<1 を得る。また t=1 から ab<1 を得る。したがって a+b<1 が必要である。

a0 の場合】
このとき F(t) は下に凸、または1次式である。区間 [1,1] における最大値は端点のどちらかでとるので、端点条件だけで十分である。よって a0,a+b<1 である。ただしこの不等式から自動的に a<1 である。

a<0 の場合】
このとき F(t) は上に凸であり、頂点が区間内にある場合には頂点で最大値をとる。頂点は t=b4a である。頂点が [1,1] に入る条件は b4a である。

頂点が区間内にあるとき、頂点での値は F(b4a)=ab28a である。したがって必要な条件は ab28a<1 である。a<0 に注意して整理すると b2<8a(a+1) となる。この右辺が正でなければならないため、この場合は 1<a<0 である。

端点条件と頂点条件を合わせて図示しやすい形に整理する。13a<0 では、b<1a のもとで頂点が区間内に入っても、上の頂点条件は自動的に満たされる。実際、この範囲では (4a)28a(a+1) である。したがって 13a<0 では端点条件だけでよい。

一方、1<a<13 では、端点条件を満たす点では頂点が区間内に入り、頂点条件 b2<8a(a+1) が端点条件より強い。よって求める範囲は 1<a<13,b2<8a(a+1) で表される部分と、13a<1,b<1a で表される部分の和集合である。境界はすべて含まれない。ただし2つの部分は a=13 で接続し、そのとき b<43 である。

別解

解法2:|b| の上限を一変数で最小化する

方針

条件を u=cosθ で対称化する。各 u>0 に対する b の上限を作り、その上限関数の最小値が端点と内部のどちらで生じるかを調べる。

解答

t=cosθ とおく。tt の両方で2at2+bta<1が必要なので、u=t[0,1] を用いると2au2+bua<1が全ての u で成り立つことと同値である。u=0 からまず a>1 が必要である。

0<u1 ではb<ϕa(u),ϕa(u)=1+au2au.したがって bϕa(u) の最小値より小さくなければならない。ϕa(u)=1+au22a.a1/3 では ϕa の最小値は u=1 で生じ、minϕa=1a.一方、1<a<1/3 ではu=1+a2aで最小となり、minϕa=22a(a+1)=8a(a+1).よって求める領域は{1<a<13,b2<8a(a+1),13a<1,b<1aの和集合であり、境界は含まない。

総評

難度8、計算量8、目安時間28分。二次関数の最大値による分類と、b の上限関数を最小化する方法で領域を照合した。接続点 a=1/3、左端 a=1、右端 a=1 と全境界が開いていることを図と式の両方で確認する。

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出典: 京都大学 1987年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。