方針
が3点を入れ替える置換を作ることから始める。点ごとに全て止まる場合は になるので除外し、非恒等な置換を「1点固定の入れ替え」と「3周期」に分ける。後者では、例えば として と置き、1次変換性から を導いて原点が重心になる矛盾を作る。
解答
条件(B)より、 は3点 を全体として に移す。したがって、 の上には1つの置換が定まる。
もしこの置換が恒等的、すなわち であれば、 である。3点 は同一直線上にないので、 と は平面の2つの独立な方向を与える。よって はすべてのベクトルを動かさず、 となる。これは条件(C)に反する。
したがって、置換としては非恒等である。3個のものの非恒等な置換は、 または のどちらかである。前者なら、固定される点は明らかに1つだけである。よって、後者が起こらないことを示せばよい。
3点を巡回的に入れ替える場合を仮定する。必要なら の名前を入れ替えて、 としてよい。
まず と は同じ直線方向のベクトルではない。もし なら、1次変換性から となり、 は原点を通る同一直線上に並んでしまうからである。よって を基準にして と書ける。
この式に を作用させると である。一方、巡回の仮定より だから、 となる。 は独立なので係数を比べて を得る。後式から であり、これを前式に代入すると である。実数 については であり、したがって である。ゆえに すなわち が従う。
ところがこれは ということであり、原点 が三角形 の重心であることを意味する。三角形の重心は内部にあるので、条件(A)の「原点 は三角形 の内部には属さない」に反する。
したがって3点を巡回的に入れ替える場合は起こらない。残るのは1点だけを固定し、残り2点を入れ替える場合であるから、3点 のうち によって動かないものは、1つあって1つに限る。
別解
解法2
方針
3点上の置換が3周期だと仮定する。すると であり,重心ベクトル は の不動ベクトルになる。非恒等な実2次元の3周期変換は0以外の不動ベクトルをもたないことを基底表示で示し,原点が重心になる矛盾を得る。
解答
条件(B)により は を置換する。3点をすべて固定すれば,独立な も固定されて となるので,条件(C)に反する。したがって可能性は「1点固定で他の2点を交換」または「3点を巡回」のどちらかである。
後者を仮定する。このとき は をすべて固定するから,同じ理由でである。まただから, は不動ベクトルである。
ここで と仮定し, と独立なベクトル を取る。 なので,この基底でと書ける。3回作用させるとである。実数 について より ,さらに より となる。よって であり となって矛盾する。
したがって ,すなわちである。これは原点が三角形 の重心であることを意味し,条件(A)に反する。ゆえに3周期は不可能であり,残る置換は1点だけを固定して他の2点を交換するものに限る。
総評
難易度は7,計算量は5程度である。想定時間は25分から35分程度。単に「置換だから」と言うだけでは3周期を排除できないため、1次変換性を使って を導く部分が得点の中心になる。恒等的に3点を止める場合は になること、重心が内部にあることも省略しない方がよい。巡回の向きは名前を入れ替えればよく、答案では場合分けの入口を明確に書くと読みやすい。