方針
2本の列ベクトルが直交することから、第一列の長さと方向角を使って行列を分解する。第1象限の単位ベクトルを偏角 で表し、縦成分を 倍した後の偏角が 以下になることを使う。
解答
(1)
2本の列ベクトルは、条件 より互いに直交する。さらに なので第一列は零ベクトルではない。そこでとおく。 だから と取れる。
第二列は第一列に垂直だから、ある実数 によってと表せる。よって(2)とおく。右側の行列を先に作用させたベクトルはである。その偏角を とすると、 より等号 は または のときに限る。
左側の行列は、長さを 倍して角度を だけ回転する。したがってここで なので、角度を へ取り直すことによる飛びはない。等号条件から、求めるベクトルはである。
では偏角は増えない
別解
解法2(成分から回転角を直接比較する)
方針
(1) では直交する第二列の倍率を成分で明示する。(2) では元のベクトルと縦成分を縮めたベクトルのなす有向角の正弦を成分計算し、その角度が0以下であることから最大を決める。
解答
(1) とする。 より である。さらにとおく。 を使うとが確かめられる。 なのでとおけば、指定された積の形を得る。
(2) とおく。 から への有向角を とすると、成分から両ベクトルは第1象限にあるのでまた だから、 となるのはすなわち のときだけである。
行列 の左側の因子は角度を だけ回転するからしたがって最大にするベクトルはの2本である。
総評
原問題が明示する行列を、直交する列と回転・伸縮へ分解する問題。目安時間は24分。偏角の枝を曖昧にせず、 から を確定し、最大となる2方向の必要十分性を確認した。