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京都大学 1985年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

bcは実数とし,x2+2bx+c=0の2根をαβとする.

(i) b2c<0b0とすれば,
いかなる複素数γに対してもγ=tα+uβとなる実数tuが存在することを示せ.

(ii) f(x)=x2+2(b1)x+5cとおくとき,
次の条件(*)を満たす点(b,c)全体の集合Dを決定し,
図示せよ.

(*) tuがともに実数なら,f(tα+uβ)0

難易度8/ 10計算量7/ 10目安40

複素数平面方程式・不等式 実部虚部比較、判別式、場合分け

方針

まず tα+uβ が実数係数で動ける範囲を分類する。(i)の非実根かつ b0 では実方向と虚方向を別々に調整できる。(ii)では、元の2根が実数なら動ける範囲は実軸、非実根で b0 なら全ての複素数、b=0,c>0 なら虚軸だけになる。各場合で f の根がその範囲に入るかを判別式や直接代入で調べる。

解答

(i) b2c<0 より d=cb2>0 とおくと、2根は α=b+di,β=bdi である。

任意の複素数を γ=X+Yi と書く。実数 t,u に対してtα+uβ=t(b+di)+u(bdi)=b(t+u)+d(tu)iである。したがって b(t+u)=X,d(tu)=Y を満たすように t,u を選べばよい。b0 かつ d>0 だから t+u=Xb,tu=Yd を満たす実数 t,u は存在する。実際、t=12(Xb+Yd),u=12(XbYd)とすればよい。よって任意の複素数 γγ=tα+uβ と表される。

(ii) W={tα+uβt,u は実数} とおく。条件(*)は、f(x)=0 の根が W に1つも入らないことと同じである。

まず cb2 の場合を考える。このとき α,β は実数である。(b,c)(0,0) なら α,β の少なくとも一方は0でないので、W は実数全体である。したがって条件(*)は、実係数2次式 f(x)=x2+2(b1)x+5c が実数解をもたないことと同値である。その条件は判別式より {2(b1)}24(5c)<0 すなわち b22b+c4<0 である。これは c<b2+2b+4 と書ける。

なお (b,c)=(0,0) のときは α=β=0 なので W={0} であるが、f(0)=50 であり、条件(*)を満たす。この点も後で述べる b=0,c5 に含まれる。

次に c>b2,b0 の場合を考える。この場合は (i) により W が複素数全体になる。2次式 f は複素数の範囲では必ず根をもつので、その根は W に入ってしまう。よって条件(*)は成り立たない。

最後に b=0,c>0 の場合を考える。このとき α=ci,β=ci であり、W は虚軸全体である。z=yi とおくとf(z)=z22z+5c=y22yi+5cである。これが0になるためには虚部から y=0 が必要であり、そのとき実部から 5c=0 が必要である。したがって、この場合は c5 のとき、かつそのときに限り条件(*)を満たす。

以上をまとめる。b0 の部分では cb2かつc<b2+2b+4 である。b=0 の部分では c5 である。ゆえに求める集合 DD={(b,c)b0, cb2, c<b2+2b+4}{(0,c)c5}である。

図示すると、b0 では放物線 c=b2 の下側または境界と、放物線 c=b2+2b+4 の下側との共通部分を取る。ただし後者の境界は含まない。さらに b=0 の縦軸上は、点 (0,5) だけを除いてすべて含める。

別解

解法2

方針

2根が張る実係数の集合 W を、実軸・複素平面全体・虚軸・原点の4種類に分類する。各場合で f の根が W に入る条件を調べ、境界を2本の放物線と b=0 上の例外として図示する。

解答

(i)d=cb2>0 とおけばα=b+di,β=bdi.任意の X+Yi に対しt+u=Xb,tu=Ydを満たす実数 t,u を取れば tα+uβ=X+Yi となる。

(ii)W={tα+uβt,uR} とする。

cb2(b,c)(0,0) なら W=R である。このとき条件(*)は f が実根をもたないこと,すなわちc<b2+2b+4と同値である。(0,0)f(0)=50 なので条件を満たす。

c>b2, b0 なら (i) により W=C である。2次式 f は複素根をもつため,条件(*)は成り立たない。

b=0,c>0 なら W=iR である。z=yi を代入するとf(yi)=y22yi+5cだから,これが0になるのは y=0,c=5 のときだけである。

以上よりD={(b,c)b0,cb2,c<b2+2b+4}{(0,c)c5}.

総評

難易度は8,計算量は7程度である。想定時間は35分から45分程度。最重要点は、tα+uβ が動く範囲を場合分けしてから f の根の位置を調べることである。b0,c>b2 では範囲が複素数全体になり条件が不可能になる一方、b=0,c>0 では虚軸だけになるため例外的に多くの点が残る。図示では b=0 の縦軸を通常の放物線領域とは別に扱い、(0,5) だけを除くことを忘れやすい。

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出典: 京都大学 1985年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。