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京都大学 1985年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

定数a (a0)およびbが与えられている.
x0で定義された関数y=f(x)で,下の2条件(A),(B)を満たすものを決定せよ.

(A) f(x)x0で連続,x>0で微分可能

(B)baxf(t)dt=xf(x)

難易度7/ 10計算量6/ 10目安30

積分微分関数 文字消去、場合分け、計算整理

方針

まず元の式に x=a を代入して、a>0 では f(a)=0 が必要になることを見る。次に x>0 で微分し、xf(x)=(b1)f(x) を得る。x1bf(x) が一定であることから f(x)=Cxb1 と決め、a>0 の条件、a=0 での連続性、さらに元の積分方程式への代入確認で場合分けを完成させる。

解答

与えられた条件は、すべての x0 についてbaxf(t)dt=xf(x)が成り立つということである。

まず x=a を代入するとbaaf(t)dt=af(a)より af(a)=0 を得る。したがって a>0 の場合には f(a)=0 が必要である。

次に x>0 で両辺を微分する。左辺の微分は bf(x)、右辺の微分は f(x)+xf(x) だから bf(x)=f(x)+xf(x) すなわち xf(x)=(b1)f(x) である。

この式から関数形を決める。x>0 においてddx{x1bf(x)}=(1b)xbf(x)+x1bf(x)=xb{(1b)f(x)+xf(x)}=0である。よって、ある定数 C が存在して x1bf(x)=C すなわち f(x)=Cxb1(x>0) である。

1. a>0 の場合

この場合は先に得た条件 f(a)=0 がある。ところが f(a)=Cab1 であり、a>0 なので ab10 である。したがって C=0 である。ゆえに f(x)=0(x>0) であり、連続性から f(0)=0 でもある。したがって f(x)0 だけが解である。これは元の式を明らかに満たす。

2. a=0 の場合

この場合、x>0 では f(x)=Cxb1 である。あとは x=0 で連続であることと、元の式を満たすことを調べる。 b>1 のとき、xb10 (x0+) である。したがって任意の定数 C に対して f(0)=0,f(x)=Cxb1(x>0) と定めれば連続である。またb0xCtb1dt=bCxbb=Cxbであり、右辺も xf(x)=xCxb1=Cxb なので元の式を満たす。 b=1 のとき、x>0 では f(x)=C である。連続性により f(0)=C とすればよい。このとき0xCdt=Cx=xf(x)であり、元の式を満たす。よって任意の定数 C について f(x)=C(x0) が解である。 b<1 のとき、もし C0 なら Cxb1x0+ で有限な極限をもたない。したがって連続性のためには C=0 でなければならず、零関数だけが残る。

以上をまとめると、解は次の通りである。{a>0:f(x)0,a=0, b>1:f(0)=0, f(x)=Cxb1 (x>0)(C は任意定数),a=0, b=1:f(x)=C (x0)(C は任意定数),a=0, b<1:f(x)0.

別解

解法2

方針

積分を F(x)=axf(t)dt と一つの関数に置く。条件は xF(x)=bF(x) となるため F(x)=Kxb 型を得る。積分の始点条件と x=0 での f=F の連続性から場合分けする。

解答

x>0F(x)=axf(t)dtとおくと,F(x)=f(x) であり,条件(B)はxF(x)=bF(x)となる。

b0 のとき,x>0 ではddx{xbF(x)}=0だから F(x)=Kxb であり,f(x)=F(x)=Kbxb1となる。b=0 では xF(x)=0 より f(x)=0 である。

a>0 なら F(a)=0 である一方,F(a)=Kab なので K=0 となる。従って零関数だけである。

a=0 のとき,非零の K が許されるには f(x)=Kbxb1x=0 まで連続でなければならない。したがって{b>1:f(0)=0,f(x)=Cxb1(x>0),b=1:f(x)=C(x0),b<1:f(x)0である。ここで C は任意の実数である。各関数を元の積分式へ代入すれば十分性も確認できる。

総評

難易度は7,計算量は6程度である。想定時間は25分から35分程度。微分して得る式だけで終わらず、元の積分方程式の x=a 代入条件と x=0 での連続性を必ず戻って確認するのが得点の中心である。特に a>0 では f(a)=0 が定数 C=0 を強制し、a=0 では b>1 のときだけ xb1 型の非零解が連続に許される。最後に元の式へ代入して十分性を示すと、場合分けの抜けを防げる。

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出典: 京都大学 1985年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。