方針
被積分関数を h(t)=te−∣t∣ と置き、積分区間の両端を微分して f′(x)=h(x+1)−h(x) を得る。絶対値の外れ方が変わる x=−1,0 で区間を分け、導関数の符号を一つの増減表にまとめる。
解答
被積分関数を h(t)=te−∣t∣ と置くとf(x)=∫xx+1h(t)dtである。積分区間の両端を微分してf′(x)=h(x+1)−h(x)=(x+1)e−∣x+1∣−xe−∣x∣を得る。
(1)
−1≦x≦0 ではf′(x)=(x+1)e−(x+1)−xex.右辺の第1項と第2項はともに非負なので f′(x)≧0 である。したがって f は [−1,0] で増加しf(−1)≦f(x)≦f(0)が成り立つ。
(2)
x≧0 ではf′(x)=ee−x{1−(e−1)x}.よって x=e−11 で符号が正から負へ変わる。
x≦−1 ではf′(x)=ex{(e−1)x+e}.よって x=−e−1e で符号が負から正へ変わる。中央の区間では (1) により正である。また x→±∞ のとき f(x)→0 であるから、これらは全体での最小点・最大点である。
したがって最大となる x=e−11,最小となる x=−e−1e.
別解
解法2(反対称性で片側だけ調べる)
方針
h(t)=te−∣t∣ が奇関数であることから f(−x−1)=−f(x) を示す。中央区間の増加と x≧0 での式だけを調べれば、最大点が求まり、その点を x=−21 に関して反転して最小点を得られる。
解答
(1)
h(t)=te−∣t∣ は奇関数である。変数変換 t=−u によりf(−x−1)=∫−x−1−xh(t)dt=−∫xx+1h(u)du=−f(x).したがって f のグラフは点 (−21,0) に関して点対称である。
−1≦x≦0 ではf′(x)=(x+1)e−(x+1)−xex≧0なので f(−1)≦f(x)≦f(0) である。
(2)
x≧0 では直接積分するとf(x)=∫xx+1te−tdt=e−x{x+1−ex+2}.したがってf′(x)=ee−x{1−(e−1)x}.よって右側での最大点はx=e−11である。中央区間は増加し、無限遠では f(x)→0 なので、これは全体での最大点でもある。
点 (−21,0) に関する対称な x 座標は−1−e−11=−e−1e.ここで最小となる。したがって最大点・最小点はそれぞれe−11,−e−1eである。
総評
難度6、計算量5、目安25分。動く積分区間を直接微分する方法と、関数の反対称性を使って調べる範囲を半分に減らす方法で照合した。増減の境界 x=-1,0 と二つの停留点を一つの符号図にまとめた。
冊子PDFで見る京大の積分の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 1982年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。