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京都大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

xの3次式

f(x)=ax3+(a2+b)x2+(2ab+c)x+a2+b2a

g(x)=ax3+(a2b)x2+(a1)x+c2b2

およびxの2次式

h(x)=x2+ax+b

を考える.(abcは定数,a0)

f(x)g(x)はともにh(x)で割り切れるか,または,ともにh(x)では割り切れないかの,いずれかであることを示せ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安18

数と式 式変形、恒等式比較、計算整理

方針

h(x)=x2+ax+b で割った余りだけを比較する。x2axbx3(a2b)x+ab を用いると、f(x) の余りと g(x) の余りはいずれも1次式として計算できる。割り切れる条件は余りの x の係数と定数項がともに0になることなので、その条件が両方で同じになることを示す。

解答

h(x)=x2+ax+b で割った余りを調べる。h(x)=0 とみなして計算すれば x2axb である。さらにx3=xx2x(axb)=ax2bxa(axb)bx=(a2b)x+abである。

まず f(x) の余りを求める。f(x)=ax3+(a2+b)x2+(2ab+c)x+a2+b2aa{(a2b)x+ab}+(a2+b)(axb)+(2ab+c)x+a2+b2a. x の係数は a(a2b)a(a2+b)+2ab+c=c であり、定数項は a2bb(a2+b)+a2+b2a=a2a である。したがって f(x) の余りは cx+a2a である。よって f(x)h(x) で割り切れる条件は c=0,a2a=0 である。a0 より、これは a=1,c=0 と同値である。

次に g(x) の余りを求める。g(x)=ax3+(a2b)x2+(a1)x+c2b2a{(a2b)x+ab}+(a2b)(axb)+(a1)x+c2b2. x の係数は a(a2b)a(a2b)+a1=a1 であり、定数項は a2bb(a2b)+c2b2=c2 である。したがって g(x) の余りは (a1)x+c2 である。よって g(x)h(x) で割り切れる条件は a1=0,c2=0 すなわち a=1,c=0 である。

以上より、f(x)h(x) で割り切れる条件と、g(x)h(x) で割り切れる条件はどちらも a=1,c=0 で一致する。したがって、f(x),g(x) はともに h(x) で割り切れるか、またはともに h(x) では割り切れない。

別解

解法2:商の係数を比較する

方針

f,gh で割り切れると仮定し、先頭係数から商を一次式に限定する。積を展開して係数比較すれば、どちらも同じ条件 a=1, c=0 に帰着する。

解答

まず f(x)h(x)=x2+ax+b で割り切れるとする。先頭項が ax3 なので、商は ax+λ と書ける。展開すると(x2+ax+b)(ax+λ)=ax3+(a2+λ)x2+(ab+aλ)x+bλ.f(x)x2 の係数と比較して λ=b である。すると x の係数比較から2ab=2ab+cとなるので c=0 である。さらに定数項の比較からb2=a2+b2aであり、a(a1)=0 を得る。仮定 a\neqq0 より a=1 である。逆に a=1,c=0 なら全ての係数が一致するから、fh で割り切れる。

次に g(x)h(x) で割り切れるとする。商を ax+μ とおくと(x2+ax+b)(ax+μ)=ax3+(a2+μ)x2+(ab+aμ)x+bμ.x2 の係数比較から μ=b である。このとき積の x の係数は0、定数項は b2 だから、g との比較によりa1=0,c2b2=b2を得る。すなわち a=1,c=0 であり、逆も成り立つ。

したがって f,gh で割り切れる条件はともに a=1,c=0 で一致する。よって題意が成り立つ。

総評

難度6、計算量6、目安時間18分。余りの計算と商の係数比較の2通りで、割り切れる必要十分条件がともに a=1,c=0 となることを確認した。片方だけの十分性で終えず、逆向きと仮定 a\neqq0 を明記する。

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出典: 京都大学 1987年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。