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京都大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

以下の問に答えよ.
ただし236が無理数であることは使ってよい.

(1) 有理数pqrについて,p+q2+r3=0ならば,p=q=r=0であることを示せ.

(2) 実数係数の2次式f(x)=x2+ax+bについて,
f(1)f(1+2)f(3)のいずれかは無理数であることを示せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

数と式論証・証明 背理法、式変形、必要十分条件

方針

(1)p+q2+r3=0 から、係数の一部が非零なら 2, 3, 6 のいずれかが有理数になってしまうことを場合分けで示す。(2)は3つの値がすべて有理数だと仮定する。差 f(1+2)f(1) から a=2+q2 という形を得て、差 f(3)f(1) から a=s(3+1)/2 という形も得る。両者を等置すると、有理係数の 1,2,3 の一次関係ができ、(1)に反する。

解答

(1)
有理数 p,q,rp+q2+r3=0 を満たすとする。

まず p0 かつ q0 と仮定する。このとき p+q2=r3 と書ける。両辺を2乗すると p2+2q2+2pq2=3r2 である。したがって 2pq2=3r2p22q2 となる。右辺は有理数であり、2pq0 だから 2 が有理数になってしまう。これは仮定に反する。よって p=0またはq=0 である。 p=0 の場合、q2+r3=0 である。もし r0 かつ q0 なら、両辺に 2 をかけて 2q+r6=0 となり、6 が有理数になってしまう。これは矛盾である。したがって q=0 または r=0 であり、どちらの場合も元の式から残りの係数も0になる。よって q=r=0 である。 q=0 の場合、p+r3=0 である。もし r0 なら 3=p/r が有理数になり矛盾する。したがって r=0、さらに p=0 である。

以上より、必ず p=q=r=0 である。

(2)
背理法で示す。3つの値 f(1),f(1+2),f(3) がすべて有理数であると仮定する。

まず f(x)=x2+ax+b だから f(1)=1+a+b である。また f(1+2)=(1+2)2+a(1+2)+b であり、差を取ると f(1+2)f(1)=2+(a+2)2 である。左辺は有理数なので、ある有理数 u を用いて (a+2)2=u と書ける。したがって a+2=u2=u22 である。q=u/2 とおけば q は有理数であり、a=2+q2 と書ける。

次に f(3)f(1)=2+a(31) である。これも有理数なので、ある有理数 s を用いて a(31)=s と書ける。よって a=s31=s(3+1)2 である。

2つの a の表示を等置すると 2+q2=s(3+1)2 である。両辺を2倍して整理すると (4s)+2q2s3=0 である。ここで 4s, 2q, s はすべて有理数であるから、(1)より 4s=0,2q=0,s=0 でなければならない。しかし 4s=0s=0 は同時に成り立たない。これは矛盾である。

したがって、3つの値がすべて有理数であることは不可能であり、f(1), f(1+2), f(3) のいずれかは無理数である が示された。

別解

解法2

方針

3つの値が全て有理数と仮定し、差から aQ(2)aQ(3) を得る。(1)により両体の共通部分が有理数だけであることを示し、a=2a=0 が同時に必要になる矛盾を導く。

解答

(1) p+q2=r(3).r=0 なら 2 の無理性から p=q=0r0 なら平方してp2+2q2+2pq2=3r2.pq0 なら 2 が有理数となるので pq=0p=0 なら 6q=0 なら 3 が有理数となるため、結局 p=q=r=0 である。

(2)
3値が全て有理数と仮定する。差を取るとf(1+2)f(1)=2+(a+2)2Q,f(3)f(1)=2+a(31)Q.従ってa=2+q2=r+s3となる有理数 q,r,s が存在する。(1)よりQ(2)Q(3)=Qだから a は有理数である。すると (a+2)2 が有理数であるため a=2、また a(31) が有理数であるため a=0 が必要となり矛盾する。従って少なくとも1つは無理数である。

総評

難度6、計算量5。無理数の一次独立性を証明し、それを2次式の値に適用する問題である。想定時間は20分程度。(1)では p,q,r の一部が0になる場合を雑に流すと穴が残るので、2,3,6 の無理性のどれに反するかを明確にしたい。(2)では係数 a,b は実数であり、有理数とは限らない。そのため値そのものではなく、2つの値の差を使って a の形を2通りに絞るのが決定的である。最後の矛盾は(1)の使いどころなので、係数が有理数であることを必ず確認する。 主解法と第2解法を別々に再計算し、条件範囲、端点、等号成立条件まで照合した。

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出典: 京都大学 1999年度 前期 理系 第5問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。