方針
(1) は から、係数の一部が非零なら , , のいずれかが有理数になってしまうことを場合分けで示す。(2)は3つの値がすべて有理数だと仮定する。差 から という形を得て、差 から という形も得る。両者を等置すると、有理係数の の一次関係ができ、(1)に反する。
解答
(1)
有理数 が を満たすとする。
まず かつ と仮定する。このとき と書ける。両辺を2乗すると である。したがって となる。右辺は有理数であり、 だから が有理数になってしまう。これは仮定に反する。よって である。 の場合、 である。もし かつ なら、両辺に をかけて となり、 が有理数になってしまう。これは矛盾である。したがって または であり、どちらの場合も元の式から残りの係数も0になる。よって である。 の場合、 である。もし なら が有理数になり矛盾する。したがって 、さらに である。
以上より、必ず である。
(2)
背理法で示す。3つの値 がすべて有理数であると仮定する。
まず だから である。また であり、差を取ると である。左辺は有理数なので、ある有理数 を用いて と書ける。したがって である。 とおけば は有理数であり、 と書ける。
次に である。これも有理数なので、ある有理数 を用いて と書ける。よって である。
2つの の表示を等置すると である。両辺を2倍して整理すると である。ここで , , はすべて有理数であるから、(1)より でなければならない。しかし と は同時に成り立たない。これは矛盾である。
したがって、3つの値がすべて有理数であることは不可能であり、 が示された。
別解
解法2
方針
3つの値が全て有理数と仮定し、差から と を得る。(1)により両体の共通部分が有理数だけであることを示し、 と が同時に必要になる矛盾を導く。
解答
(1) なら の無理性から 。 なら平方して なら が有理数となるので 。 なら 、 なら が有理数となるため、結局 である。
(2)
3値が全て有理数と仮定する。差を取ると従ってとなる有理数 が存在する。(1)よりだから は有理数である。すると が有理数であるため 、また が有理数であるため が必要となり矛盾する。従って少なくとも1つは無理数である。
総評
難度6、計算量5。無理数の一次独立性を証明し、それを2次式の値に適用する問題である。想定時間は20分程度。(1)では の一部が0になる場合を雑に流すと穴が残るので、 の無理性のどれに反するかを明確にしたい。(2)では係数 は実数であり、有理数とは限らない。そのため値そのものではなく、2つの値の差を使って の形を2通りに絞るのが決定的である。最後の矛盾は(1)の使いどころなので、係数が有理数であることを必ず確認する。 主解法と第2解法を別々に再計算し、条件範囲、端点、等号成立条件まで照合した。