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京都大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

3次関数f(x)=x3+ax2+bx+c(abcは定数)のグラフy=f(x)と,定数mとを考える.

(1) このグラフの接線で傾きmのものは何本あるか.

(2) 傾きmの接線が2本ある場合について,その接線l1l2の接点をP1P2とし,
l1l2がグラフと交わる他の点をQ1Q2とすれば,P1Q1=P2Q2であることを示せ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安24

微分関数 接線・法線判別式、計算整理

方針

傾き m の接線の接点は f(x)=m の解で決まるので、(1)は2次方程式 3x2+2ax+bm=0 の判別式で本数を分類する。(2)では接点の x 座標を t とし、接線と三次曲線の交点方程式 f(x)f(t)f(t)(xt)=0 を因数分解する。接点以外の交点の x 座標が 2ta になるため、接線上の距離は 3t+a1+m2 で表せる。2つの接点の和を使って、この値が等しいことを示す。

解答

(1)
傾き m の接線の接点の x 座標を t とする。接線の傾きは f(t) であるから f(t)=m が必要十分である。ここで f(x)=3x2+2ax+b なので、接点の x 座標は 3t2+2at+bm=0 の解である。

この2次方程式の判別式を D とすると D=(2a)243(bm)=4(a23b+3m) である。よって接線の本数は{2(a23b+3m>0),1(a23b+3m=0),0(a23b+3m<0)である。

(2)
傾き m の接線が2本あるとする。その一方の接点の x 座標を t とする。接点は (t,f(t)) であり、接線の方程式は y=f(t)+f(t)(xt) である。この接線と曲線 y=f(x) との共有点の x 座標は f(x)f(t)f(t)(xt)=0 を満たす。

左辺を計算する。f(x)=x3+ax2+bx+c だからf(x)f(t)f(t)(xt)=x3t3+a(x2t2)+b(xt)(3t2+2at+b)(xt)=(xt){x2+xt+t2+a(x+t)+b3t22atb}=(xt){x2+xt2t2+axat}=(xt)2(x+2t+a).したがって接点以外の交点の x 座標は 2ta である。

接線の傾きは m なので、接線上で x 座標が t から 2ta に変わると、線分の長さは (2ta)t1+m2=3t+a1+m2 である。

2本の接線の接点の x 座標を t1,t2 とする。これらは 3t2+2at+bm=0 の2つの解であるから t1+t2=2a3 である。したがって 3t1+a=(3t2+a) となり、3t1+a=3t2+a である。よって対応する距離は等しく P1Q1=P2Q2 である。

別解

解法2:三次関数を平行移動して対称化する

方針

横方向の平行移動で二次項を消し、三次関数を F(X)=X3+pX+q の形にする。同じ傾きの二接点が X=±s になる対称性から距離を比較する。

解答

X=x+a/3 と平行移動すると、グラフはY=F(X)=X3+pX+qの形になる。平行移動では接線の傾きも点間距離も変わらない。

(1)
傾き m の接点の X 座標はF(X)=3X2+p=mを満たす。したがって{2(m>p),1(m=p),0(m<p).ここで変数変換から p=ba2/3 なので、これはa23b+3mの正・零・負による分類と一致する。

(2)
二本あるとき、接点の X 座標は s,s である。X=s における接線と曲線の交点を調べるとF(X)F(s)F(s)(Xs)=(Xs)2(X+2s).したがって接点以外の交点は X=2s であり、横方向の差は 3s である。同様に接点 s の接線は、他の交点 2s まで横方向に 3s だけ離れている。

両接線の傾きは同じ m だから、接線上の実際の距離はどちらも3s1+m2.よって P1Q1=P2Q2 である。

総評

難度7、計算量7、目安時間24分。接点方程式の判別式と、二次項を消す平行移動による対称化で接線本数を照合した。三次曲線と接線の交点では接点が重解となるため (xt)2 を正しく取り出し、水平差に 1+m2 を掛けて実距離に直す。

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出典: 京都大学 1987年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。