方針
両辺にある正の因子 1−x を先に除き、t=x とおいて根号を消す。残った4次式を (1−t)2 と正係数の2次式の積に因数分解し、0<t<1 で各因子が正であることから厳密な不等号を示す。
解答
0<x<1 だから 1−x>0 である。両辺を 1−x で割ると、示すべき不等式は31+x+x2>2x(1+x)と同値である。t=x とおくと 0<t<1、x=t2 である。両辺の差を6倍すると2(1+t2+t4)−3t(1+t2)=2t4−3t3+2t2−3t+2=(1−t)2(2t2+t+2)となる。
0<t<1 なので (1−t)2>0 であり、2t2+t+2>0 である。したがって差は正であり、31−x3>21−x2xが成り立つ。
別解
解法2:差の単調減少
方針
左辺から右辺を引いた関数 F(x) を置き、導関数の符号を調べる。t=x とすると導関数の符号は 5t4−4t5−1 で決まる。この式の主要部分 5t4−4t5 が 0<t<1 で単調増加し、1より小さいことを示す。F は1へ向かって単調減少し F(1)=0 なので、開区間内では正になる。
解答
差をF(x)=31−x3−21−x2xとおく。0<x<1 で微分するとF′(x)=−x2−4x1+45x3/2=4x−1+5x2−4x5/2である。t=x とおけば 0<t<1 で、分子は−1+5t4−4t5となる。ここで H(t)=5t4−4t5 とおくとH′(t)=20t3(1−t)>0だから、H は 0<t<1 で単調に増加する。したがってH(t)<H(1)=1であり、F′(x)<0 である。
よって F は 0<x<1 で単調に減少する。また連続に端まで延長すれば F(1)=0 であるから、0<x<1 ではF(x)>F(1)=0となる。したがって求める不等式が成り立つ。
総評
難度4、計算量4で、目安は12分。因数分解解法では、最初に正の共通因子 1−x を除くと次数が下がり、(1−x)2 が見つけやすい。微分解法では端点 x=1 で差が0になることを先に見て、区間内で差が単調減少することを示す。開区間なので等号は生じない。分母を払う際に正の数だけを掛けて不等号の向きが変わらないこと、x の微分係数を落とさないことが主な注意点である。
冊子PDFで見る京大の方程式・不等式の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 1988年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。