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京都大学 1988年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第2問

f(x)=ax3+bx2+cxxの3次式とする.
すべての整数nに対してf(n)が整数になるための必要十分条件は,適当な整数pqrをとると,f(x)=p6x(x+1)(x+2)+q2x(x+1)+rxと表されることであることを示せ.

難易度6/ 10計算量4/ 10目安22

関数整数論証・証明 必要十分条件、特殊化、恒等式比較

方針

十分性は連続する2整数・3整数の積の割り切れ方を使う。必要性では f(1),f(2),f(3) が整数であることから、表示式へ代入したとき三角形状に決まる r,q,p を順に構成する。作った多項式と f3,2,1,0 の4点で一致するため、3次以下の多項式として恒等的に一致すると結ぶ。

解答

まず十分性を示す。整数 p,q,r によってf(x)=p6x(x+1)(x+2)+q2x(x+1)+rxと表されるとする。整数 n に対して n(n+1) は2の倍数であり、n(n+1)(n+2) は6の倍数である。したがって各項は整数となり、f(n) は整数である。

次に必要性を示す。すべての整数 n について f(n) が整数であると仮定する。順にr=f(1),q=f(2)+2r,p=f(3)+3q3rと定めると、p,q,r はすべて整数である。

この3整数を用いてF(x)=p6x(x+1)(x+2)+q2x(x+1)+rxとおく。定義からF(1)=f(1),F(2)=f(2),F(3)=f(3),F(0)=f(0)=0である。3次以下の多項式 f(x)F(x) は相異なる4実数 3,2,1,0 を根にもつので、恒等的に0である。よって f(x)=F(x) となり、必要性も示された。

別解

解法2:前進差分による構成

方針

必要性では負の整数を使わず、整数である f(1),f(2),f(3) から前進差分型の整数 α,β,γ を作る。まず下降積 x(x1)(x2) の表示を得て、それを問題文の上昇積 x(x+1)(x+2) の表示へ整数係数のまま変換する。十分性は連続整数積の2・6による割り切れ方で確認する。

解答

すべての整数 n について f(n) が整数であると仮定する。とくにα=f(3)3f(2)+3f(1),β=f(2)2f(1),γ=f(1)は整数である。

f(x)=ax3+bx2+cx を代入して整理するとα=6a,β=6a+2b,γ=a+b+cである。したがってf(x)=α6x(x1)(x2)+β2x(x1)+γxが成り立つ。

ここでp=α,q=β2α,r=γ+αβとおくと、p,q,r は整数である。右辺を展開すればp6x(x+1)(x+2)+q2x(x+1)+rx=α6x(x1)(x2)+β2x(x1)+γx=f(x)となるので、問題文の表示を得る。

逆に、整数 p,q,r による問題文の表示があるとする。整数 n に対して、連続する2整数の積 n(n+1) は2の倍数、連続する3整数の積 n(n+1)(n+2) は6の倍数である。よって表示の各項は整数となり、すべての整数 nf(n) は整数である。

以上で必要十分性が示された。

総評

難度6、計算量5で、目安は22分。十分性は連続整数の積の割り切れ方で短いが、必要性では整数係数 p,q,r を実際に構成する必要がある。解法1は 1,2,3 を代入すると r,q,p が順番に決まる点が核心で、最後の4点一致を忘れない。解法2は f(1),f(2),f(3) の差から整数係数を作る方法で、上昇積への係数変換を丁寧に書く。単に係数比較して 6a などが整数だと断定するのは根拠不足になる。

冊子PDFで見る京大の関数の問題で問題集を作る

出典: 京都大学 1988年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。