Evolton

京都大学 1988年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

各辺の長さが2の正四面体ABCDを座標空間内で考える.
ABx軸上にあって,その中点は原点Oと一致し,辺CDの中点Mz軸の正の部分にあるとする.
また,0<t<1をみたす実数tについて,線分OMt:(1t)の比に内分する点を通り,OMに垂直な平面をαとする.

(1) 2頂点CDの座標を求めよ.ただし,Cy座標は正であるとする.

(2) 平面αによる正四面体ABCDの切口は,どのような平面図形か.

(3) 平面αで分けられた正四面体ABCDの2つの部分のうち,原点に近い部分の体積を求めよ.

難易度7/ 10計算量5/ 10目安30

ベクトル図形と方程式積分 座標設定体積計算図形的解釈

方針

まず A=(1,0,0),B=(1,0,0) と置き、CD の中点が z 軸上である対称性から C=(0,u,v),D=(0,u,v) とする。辺長2で u,v を決める。平面 α は水平面なので、4側辺との交点を媒介変数で求めて長方形の2辺を得る。(3) は高さ z=s2 の断面積を 0st で積分する。

解答

(1) A=(1,0,0),B=(1,0,0)とおける。CD の中点が z 軸上にあり、Cy 座標が正なのでC=(0,u,v),D=(0,u,v),u>0, v>0とおく。CD=2 より 2u=2、したがって u=1 である。さらに AC=2 より12+12+v2=22だから v=2 である。よってC=(0,1,2),D=(0,1,2)である。

(2)

M=(0,0,2) なので、αz=t2である。辺 AC 上の点は(1+s,s,s2)(0s1)と書けるから、α との交点では s=t である。同様に4交点はE=(1+t,t,t2),F=(1t,t,t2),G=(1t,t,t2),H=(1+t,t,t2)である。したがって切口 EFGH は、辺の長さが2(1t),2tの長方形である。

(3)

高さ z=s2 の水平断面は、(2) と同様に辺長 2(1s),2s の長方形である。断面積は4s(1s)であり、dz=2ds である。原点に近い部分は 0st だから、その体積 VV=0t4s(1s)2ds=42[s22s33]0t=2(2t243t3)である。

別解

解法2:辺の比から切口を作る

方針

(1) は正四面体の対称性と三平方で座標を決める。(2) では座標の4交点を計算せず、平面が互いに垂直な向かい合う辺 AB,CD に平行であることを使う。各側辺を下から t:(1t) に分けるので、相似から切口の一辺は 2(1t)、他方は 2t となる。(3) も高さの割合 s だけで断面積を作り、カヴァリエリの考えで積分する。

解答

(1)

A=(1,0,0),B=(1,0,0) とする。C,DA,B から等距離なので、ともに平面 x=0 上にある。また正四面体では向かい合う辺 AB,CD の中点を結ぶ直線は両辺に垂直である。Mz 軸上にあり、Cy 座標が正だからC=(0,1,h),D=(0,1,h)とおける。AC=2 に三平方を使うと1+1+h2=4であり、h>0 だから h=2 である。よってC=(0,1,2),D=(0,1,2)である。

(2)

OM は向かい合う2辺 AB,CD の共通垂線である。したがって OM に垂直な平面 αABCD の両方に平行である。

α は4本の側辺 AC,BC,BD,AD を、下の端から高さの割合 t の点で切る。三角形 ABC の中では、AC,BC 上の2交点を結ぶ辺は AB に平行で、長さは(1t)AB=2(1t)である。三角形 ACD の中では、AC,AD 上の2交点を結ぶ辺は CD に平行で、長さはtCD=2tである。

正四面体の向かい合う辺 AB,CD は垂直だから、切口は辺長 2(1t),2t の長方形である。

(3)

OM=2 である。O から高さの割合 s の平面で切った断面は、(2) と同じ相似の議論により、辺長2(1s),2sの長方形である。したがって断面積は 4s(1s) である。

高さの微小な増加は 2ds だから、原点側の体積はV=420t(ss2)ds=42(t22t33)=2(2t243t3)となる。

総評

難度7、計算量6で、目安は30分。座標解法では C,Dy 軸方向に対称に置くこと、切口の4交点を同じ媒介変数 t で出すこと、体積で dz=2ds を掛けることが得点の中心である。幾何解法では、向かい合う辺 AB,CD がともに OM に垂直で互いにも垂直であるため、切口が長方形になる。大学範囲の体積公式は不要で、辺の相似比と1変数の断面積だけで高校範囲内に完結する。

冊子PDFで見る京大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 京都大学 1988年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。