方針
(1) は行列を直接掛けて確認する。 と が分かると, で繰り返し作られる変換は6個に限られる。(2)はこの関係を使って長い積を短く直す。(3)では6個の変換で三角形 の2つの基準辺の行き先を調べ,原点を共通頂点とする6個の三角形が,6点 を結ぶ六角形を作ることを示す。
解答
(1) を表す行列をそれぞれとおく。直接計算するとである。したがって である。
またであり,なのでである。よって が成り立つ。
(2)
行列を掛けてもよいが,(1)の関係を使うと短く整理できる。,, より,次の等式が成り立つ。 したがって,後者の5つは前者の5つと次のように一致する。 (3)
(1) ,(2)より, を繰り返して得られる変換は の6個である。どの変換も原点を原点へ移すので,三角形 は原点と,, の移った2点で決まる。
6個の変換で , が移る先を並べると,原点のまわりに次の6点が現れる。である。得られる6個の三角形は,原点と,この順に隣り合う2点を頂点にもつ三角形である。
したがって求める和集合は,6点 をこの順に結んでできる六角形の内部および周である。図示では,原点を中心に,右,右下,下,左,左上,上の方向へ頂点をもつ六角形を描けばよい。
別解
解法2
方針
各変換が基底ベクトルをどこへ移すかを表にして6個の変換を識別する。長い積の一致と、三角形像の頂点を同じ表から読み取り、六角形を直接構成する。
解答
(1) (1) 基底ベクトルを,とする。行列を順に掛けると、得られる変換と2本の像は次の6種類だけである。この表の各組は異なるので変換も異なる。また、さらにまたはを合成しても表内の別の行へ移る。これによりと、生成される変換がこの6個だけであることを同時に確認できる。
(2) (2) 後者5個を同じ表へ照合すれば(3) (3) の像は原点と表の2点を頂点にもつ。6個を合わせた領域はを順に結ぶ六角形の内部と周である。
総評
難度は10段階中7、計算量は10段階中7。目安時間は28分から32分。(1)の行列計算で と がどちらも2回で元に戻り, が3回で元に戻ることを押さえると,全体が6個の変換で閉じることが見える。(2)は長い積をこの関係で短くする整理問題である。(3)は計算した6個の変換で三角形の2頂点を追い,六角形として図示する。禁止された高度な用語を使わず,頂点列を明記するのが最も確実である。 2解法の結論を照合し、定義域、端点、必要十分性、等号条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式も併記している。