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京都大学 1992年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

a1b1c1は正の整数でa12+b12=c12を満たしている.
n=1,2,について,an+1bn+1cn+1を次式できめる.

an+1=2cnan2bn

bn+1=2cn2anbn

cn+1=3cn2an2bn

(1) an2+bn2=cn2を数学的帰納法により証明せよ.

(2) cn>0およびcncn+1を示せ.

(3) cm>cm+1=cm+2となったときのmについて,am:bm:cmを求めよ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安30

整数数列 数学的帰納法、範囲評価、計算整理

方針

絶対値の中身を一度 u=2cnan2bnv=2cn2anbn と置き,u2+v2cn+12 を直接比較する。展開すると差が an2+bn2cn2 になり,帰納法が通る。(2)は an,bn が0以上で an2+bn2=cn2 を満たすことから,an+bncnan+bn2cn を使う。(3)は cn=cn+1 の等号条件が anbn=0 であることを使い,停止直前の比を x=am/cmy=bm/cm で解く。

解答

(1) n 番目で an2+bn2=cn2 が成り立つと仮定する。絶対値の中身を u=2cnan2bn,v=2cn2anbn とおく。このとき an+12+bn+12=u2+v2 である。また cn+1=3cn2an2bn である。

直接展開するとu2+v2cn+12=(2cnan2bn)2+(2cn2anbn)2(3cn2an2bn)2=an2+bn2cn2.帰納法の仮定より右辺は0である。したがって an+12+bn+12=cn+12 である。

初めに a12+b12=c12 が成り立っているので,数学的帰納法により,すべての正整数 n について an2+bn2=cn2 が成り立つ。

(2)
(1)より,各 n について an2+bn2=cn2 である。また an,bn は絶対値で定義されるので0以上である。

まず (an+bn)2=an2+bn2+2anbn=cn2+2anbncn2 であるから an+bncn である。したがって cncn+1=cn(3cn2an2bn)=2(an+bncn)0 となり cncn+1 である。

次に cn>0 を示す。初めは仮定より c1>0 である。cn>0 とすると,(an+bn)22(an2+bn2)=2cn2 だから an+bn2cn である。よって cn+1=3cn2(an+bn)(322)cn である。ここで 322>0 なので cn+1>0 である。したがって帰納法により cn>0 もすべての n で成り立つ。

(3)
まず,どのようなときに cn=cn+1 となるかを調べる。(2)の計算より cncn+1=2(an+bncn) であるから,等号 cn=cn+1an+bn=cn と同値である。このとき an2+bn2=cn2 も成り立つので (an+bn)2=an2+bn2 である。展開して an2+2anbn+bn2=an2+bn2 となるから anbn=0 である。cn>0 も合わせると,等号が起こるときの比は an:bn:cn=0:1:1または1:0:1 である。

いま cm>cm+1=cm+2 とする。すると n=m+1 で等号が起こるので am+1:bm+1:cm+1=0:1:1または1:0:1 である。 x=amcmy=bmcm とおく。am,bm は正なので x>0,y>0 であり,(1)より x2+y2=1 である。

まず次の比が 0:1:1 になる場合を考える。このとき am+1=0 だから 2cmam2bm=0 である。cm で割ると 2x2y=0 である。これと x2+y2=1 を連立する。 x=22y を代入して (22y)2+y2=1 すなわち 5y28y+3=0 である。よって y=1,35 である。y=1 では x=0 となり,am>0 に反する。したがって x=45,y=35 である。

次の比が 1:0:1 になる場合は,同様に bm+1=0 だから 2cm2ambm=0 であり,22xy=0,x2+y2=1 を解けば x=35,y=45 を得る。

以上より am:bm:cm=4:3:5または3:4:5 である。実際,これらの比では x+y=75 なので cm+1=(32x2y)cm=15cm となり,cm>cm+1 も満たしている。

総評

ピタゴラス型の関係を保つ変換と,減少列の等号条件を組み合わせる難問である。目安時間は30分以上。(1)は絶対値に惑わされず,平方して中身を展開するのが最短である。(2)では an+bncnan+bn2cn の両方を使い,減少性と正性を分けて示す。(3)は等号条件から 0:1:11:0:1 に落とし,その直前の比を円 x2+y2=1 と直線で求める。途中で am,bm>0 に反する解を除くことが重要である。

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出典: 京都大学 1992年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。