Evolton

京都大学 1994年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第5問

2次式f(x)=3x2+2ax+1に対し,22(x+2)f(x)dx=4c2f(x)dxを満たすc2<c<2の範囲に存在することを示せ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安12

積分関数 定積分評価、存在証明、場合分け

方針

両辺を積分して c の三次式 (Hc) に直す。係数 a の符号に応じて (H(-2),H(0),H(2)) の符号を選び、連続性から開区間内の零点を示す。

解答

積分を計算すると22(x+2)f(x)dx=40+32a3である。また4c2f(x)dx=4{10+4ac3ac2c}である。したがって問題の等式はH(c)=c3+ac2+c4a3=0(1)と同値である。

H は連続であり、H(2)=8a310,H(0)=4a3,H(2)=10+8a3である。

a>0 なら H(0)<0<H(2) であるから、0<c<2 に (1) の解がある。a<0 なら H(2)<0<H(0) であるから、2<c<0 に解がある。a=0 なら c=0 が解である。いずれの場合も 2<c<2 を満たす c が存在する。

別解

解法2

方針

積分等式を a について解き、ac の連続関数として表す。その関数が (2/3,2/3) 上で全実数をとることを示す。

解答

積分を整理すると、与式はc3+ac2+c4a3=0と同値である。これを a について解けばa=3c(c2+1)43c2.(1)ϕ(c)=3c(c2+1)43c2とおく。ϕ は区間23<c<23で、c=±2/3 を除き連続である。さらにϕ(0)=0,limc(2/3)ϕ(c)=+,limc(2/3)+ϕ(c)=.したがって中間値の考えにより、任意の a>0 に対して
0<c<2/3ϕ(c)=a となる点があり、
任意の a<0 に対して 2/3<c<0 にそのような点がある。
a=0 なら c=0 とすればよい。23<c<23(2,2) に含まれるので、どの実数 a に対しても
2<c<2 を満たす解 c が存在する。

総評

定積分を存在証明に接続する問題で、目安は12分。三次式を解く必要はなく、a の符号で評価点を選んで中間値の考えを使うのが要点である。 式の導出だけでなく、仮定を使う箇所と端点・等号の確認まで明記できれば、部分点を失いにくい。

三次式の符号判定と a=ϕ(c) の全射性の2経路で存在を確認した。解を具体的に求める必要はない。

冊子PDFで見る京大の積分の問題で問題集を作る

出典: 京都大学 1994年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。