方針
f が0でない整式なら,次数を m,最高次係数を A として両辺の最高次から順に係数を比較する。移動積分 ∫xx+1tmdt は最高次係数が1で,次の係数が m/2 になる。最高次係数から c=1 が決まり,次の係数を比べると m≧1 が矛盾するため,m=0 しか残らない。
解答
f(x) が0なら定数である。以下,f(x) は0でないとする。f の次数を m,最高次係数を A とし,f(x)=Axm+Bxm−1+次数が m−1 未満の項 と書く。ただし m=0 の場合はすでに定数なので,矛盾を出す部分では m≧1 と仮定する。
まず∫xx+1tmdt=m+1(x+1)m+1−xm+1=xm+2mxm−1+次数が m−1 未満の項である。また ∫xx+1tm−1dt=xm−1+次数が m−1 未満の項 である。したがって左辺は∫xx+1f(t)dt=Axm+(B+2mA)xm−1+次数が m−1 未満の項となる。
一方,右辺は cf(x)=cAxm+cBxm−1+次数が m−1 未満の項 である。まず xm の係数を比較すると,A=0 より c=1 である。次に xm−1 の係数を比較すると B+2mA=B となる。これは m≧1,A=0 に反する。よって m≧1 はありえず,m=0 である。
したがって f(x) は定数である。
別解
解法2
方針
与式を微分して差分方程式を作る。整式の最高次項と次の項を比較し、次数2以上を排除する。残る1次式は元の積分式へ代入して排除する。
解答
fが零多項式なら結論は明らかである。以下、次数をm≧1、最高次係数をA=0とする。与式をxで微分するとf(x+1)−f(x)=cf′(x).左辺と右辺のxm−1の係数はそれぞれmA,cmAだからc=1である。
m≧2とする。f(x)=Axm+Bxm−1+低次の項と書けば、f(x+1)−f(x)=mAxm−1+{2m(m−1)A+(m−1)B}xm−2+低次の項,一方、f′(x)=mAxm−1+(m−1)Bxm−2+低次の項.係数比較から2m(m−1)A=0となり矛盾する。よってm=1だけが残る。
f(x)=Ax+Bを元の式へ代入し、c=1を使うと∫xx+1(At+B)dt=Ax+B+2A=f(x).したがってA=0となり、1次式にもならない。以上よりfは定数である。
総評
難度は10段階中5、計算量は10段階中3。目安時間は10分から14分。最高次係数だけを比べると c=1 が分かるだけなので,次の係数まで比較する必要がある。∫xx+1tmdt の展開で m/2 が現れるところが答案の中心であり,ここを省くと矛盾の根拠が弱くなる。f=0 の場合を最初に処理しておけば,最高次係数を安心して割れる。 2解法の結論を照合し、定義域、端点、必要十分性、等号条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式も併記している。
冊子PDFで見る京大の積分の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。