方針
角の二等分線定理でQB/AQをPB/APに直す。点Pの座標を代入すると比の2乗がtの有理式になるので,分母が常に正であることを確認してから微分し,t=−1/2とt=1/2で最大・最小を調べる。最後は2乗した量から元の比へ戻す。別解として,微分を使わず,5/9≦R(t)≦9/5を平方完成型の恒等式で直接示す方法も有効である。
解答
角の二等分線定理より QBAQ=PBAP である。したがって AQQB=APPB である。 P=(t,2t2+1)だから PB2=(t−1)2+(2t2+1)2 であり,AP2=(t+1)2+(2t2+1)2 である。よって R(t)=(AQQB)2 とおくとR(t)=(t+1)2+(2t2+1)2(t−1)2+(2t2+1)2=4t4+5t2+2t+24t4+5t2−2t+2である。分母は距離の2乗なので常に正である。 N=4t4+5t2−2t+2,D=4t4+5t2+2t+2 とおくと,R=N/Dである。微分して整理すると R′(t)=D24(2t−1)(2t+1)(3t2+2) となる。3t2+2>0,D2>0なので,R′(t)の符号は(2t−1)(2t+1)で決まる。
したがってR(t)は−∞<t<−1/2で増加し,−1/2<t<1/2で減少し,1/2<t<∞で増加する。またt→±∞でR(t)→1である。
よって最大はt=−1/2,最小はt=1/2でとられる。実際,R(−21)=59,R(21)=95 である。求めるQB/AQは正なので,最大値は 535 であり,最小値は 35 である。
別解
解法2
方針
微分を使わず、比の2乗 R と候補値 9/5,5/9 の差を恒等式として因数分解する。平方因子から範囲と等号条件を同時に得る。
解答
角の二等分線定理からAQQB=APPB.R(t)=(AQQB)2=4t4+5t2+2t+24t4+5t2−2t+2=DNとおく。D=AP2>0 である。
直接展開すると9D−5N=4(2t+1)2(t2−t+2)≧0.t2−t+2=(t−1/2)2+7/4>0 だからR(t)≦59,等号は t=−1/2 のときに限る。
同様に9N−5D=4(2t−1)2(t2+t+2)≧0よりR(t)≧95,等号は t=1/2 のときに限る。
QB/AQ>0 なので平方根をとり、maxAQQB=59=535,minAQQB=95=35.
総評
角の二等分線定理と関数の最大最小を組み合わせる問題。難度は標準上位で,目安時間は20分前後。まずQの座標を直接求めようとせず,QB/AQ=PB/APに変換するのが最短である。比を2乗して扱うため,最後に正の平方根へ戻す点に注意する。微分解法では分母の正性とt→±∞での値を確認して大域的な最大最小を述べる必要がある。別解の不等式処理は計算の見通しがよく,平方完成で等号条件まで同時に確認できる。
微分解法と恒等式解法で最大・最小と等号点を相互確認した。最後に比の2乗から正の平方根へ戻す。
冊子PDFで見る京大の図形と方程式の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 1994年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。